譜久山仁 の 第3診察室

shinsatsu.exblog.jp
ブログトップ

消毒って、必要?

 ケガをして第3診察室にこられる患者さんの中には、「家でとりあえず消毒をしてきました。」という方がおられます。時々、「キズを乾かすスプレーで消毒してきました。」といわれる方もおられます。
病院にこられる前にキズの手当てをしてくれるのはありがたいのですが、実はキズの治療に消毒は必要でないことが多いのです。
 消毒液、というのは、たんぱく質を壊すことによって細菌を殺す作用を持っています。
しかし、消毒液によって細菌のものだけでなく、人のたんぱく質も壊され、人の細胞も死ぬのです。
しかも、人の細胞は細菌よりも弱いので(細菌は周りを細胞壁という壁で包まれていますが、人の細胞は細胞膜という膜で包まれており、細胞膜のほうが細胞壁よりも消毒のダメージを受けやすいので)、消毒によって細菌は死ななくても人の細胞が死んでしまう、ということが起こります。
 その上、消毒液は、血液や膿などがキズについていると、そのたんぱく質を分解するのに使われてしまって、キズで目標をするべき細菌に対してほとんど役に立たない、ということが起こります。そして、殺菌力がなくなった消毒液に含まれている、界面活性剤の為に、人の細胞がダメージを受ける、という役に立たないだけでなく害になる、というとんでもないことが起こります。
 さらに、その上、キズに細菌がいても、必ずしも化膿するわけではなく、化膿する為には感染源という「化膿の素」が必要なのです。
 ということから、キズが化膿しそうなとき、または、化膿した場合にしないといけないのは、「化膿の素」である感染源を取り除いてやることなのです。
そのためには、消毒液を使うのではなく、きれいな水(水道水で十分です)でキズの周りの汚れを落とすことが必要です。
 その上で、病院に来ていただけると、とても処置がスムーズに行きます。
 まちがえても、キズを乾かすようなスプレーは、使わないでください。
 
 
[PR]
by fkymhts | 2005-03-10 23:48 | キズの手当て