譜久山仁 の 第3診察室

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健康が目的とならないように…

今日、明日と、介護支援専門員(ケアマネジャー)の実務研修を受講しています。
そこで、ハッと気づかされたことがひとつ。

健康が目的にならないようにしてくださいね。

との、講師の言葉。

「Aさんは、糖尿病です。
特別養護老人ホームに入所していますが、Aさんの希望は、晩酌をすることです。
あなたなら、どのようなケアプランをたてますか?」

糖尿病患者さんが晩酌?!
病院に入院している方なら、もちろん禁酒してカロリー制限、内服、場合によってはインスリン治療でしょう。

でも、Aさんは、糖尿病の治療目的で入院しているわけではありません。
終の棲家である、特別養護老人ホームで、日常生活を送っているのです。

そこで、ケアプランとして考えなければならないのは、Aさんが望むくらしをできるようにするということ。
その為には、晩酌ができるように、晩酌分だけカロリーを減らした食事を設定し、食事が減るけれども、晩酌ができる、という選択肢をAさんに提示して、Aさん自身に選んでもらうことです。

糖尿病というと、すぐに治療を考えてしまうのは医者の悲しい性です。

その人が望む生き方を支えていく。
健康であれば、何がしたいのかということを目的にするのであって、健康は目的ではない。

という視点に、気づかされました。

でも、これって、治療にも当てはまることなんですよね。
患者さんが治療を希望され、治療について説明をして同意を得た上で行うことが患者さんにとっての治療です。
患者さんの病気だけに気をとられて、患者さんが本当に望むくらし、生き方ができないような治療は、患者さんにとっての治療ではなく、医療者の独りよがりだと、考えさせられました。
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by fkymhts | 2005-03-17 00:08 | 診察室のひとりごと