譜久山仁 の 第3診察室

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あなたに会えて…



今日は、患者さんから言われて、一番うれしい言葉のおはなしです。
クリックしていただけると、さらにうれしいです。


 Hさんの容態が急に悪くなり、
ご自宅で息を引き取られました。

 他の病院からご紹介頂き、
がんの症状をやわらげる治療を、続けてきました。

 出会いの時から、
別れがとても近くにあることがわかっていながらの、
患者さん、そして、ご家族とのおつき合いです。


 Hさんにとっては、文字通り、残りの命すべてを賭けての治療。
そのHさんを支えるご家族も、全力投球です。


 入院して、すこし体調が良くなって、なんとかご自宅へ退院。
それでも、病気が進むのは早く、再度の入院。


 2回目の入院では、体調が思うように回復せず、
このまま病院で最期を迎えることになってしまうのかな、と
不安がちらっと頭をよぎりました。


 それでも、なんとか、ご家族のサポートがあって、ご自宅へ退院。
久しぶりに帰省されたご家族とも、ゆっくりとお話ができたようです。


 往診で伺った時は、医療者が常にそばにいないことの不安は訴えられましたが、
そののお顔からは、ご自宅で過ごされている満足感がうかがえました。


 「容態が悪くなったら、いつでも病院で引き受けますからね。」
との僕の説明に、医療者がいないことに対する不安が少し和らいだのか、
「また、来週の往診まで。」と、笑顔で送り出してくれました。

 
 「先生、Hさんが急変です。」
訪問看護師さんから連絡があったのは、その3日後。


 急いで駆けつけた僕を迎えてくれたのは、
Hさんの安らかな最期のお顔でした。


 すー、すーっと、息をして、
まったく苦しまれることなく、そのまま、息を引き取られました。


 Hさんとの会話は、その前の往診の時の帰り際の言葉が最後になりましたが、
ご家族から、
「先生にお会いできて、良かったです。」
とのお言葉をいただきました。

 
 あなたに会えて、良かった。

最期の時を迎えるご家族から、こう言っていただけると、
本当に、医者冥利に尽きます。


 Hさん。
そして、ご家族のみなさん。


 僕も、
あなた達にお会いできて、
ご家族の強いきずなに触れることができて、
本当に良かったです。
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by fkymhts | 2009-07-04 23:34 | 医者と患者さん