原理原則に立ち返れ! by 理系男 へのトラックバックです。
キズの治療って、乾かさない、消毒しない、異物を取り除く、というのが、原則です。
そして、その原則の根本にあるのは、自分の体との対話です。
第3診察室に来られる患者さんには、キズの治療(閉鎖療法)についての説明を十分にした上で、その方が治療法を理解されていれば、病院に来られずにご自分で治療していただいていいですよ、と言っています。
キズが治ることについては患者さん自身がもっとも関心を持っていて、そして、なによりも医者ができるのは患者さん自身の体が治るのをお手伝いするだけ、だからです。
キズの治療には、とくに難しい考えは必要ありません。
知っておいてほしいことは、
1:キズが治るのは細胞培養と同じ→ だから、キズを乾かさない
2:人の体には常在菌といって本来無害な菌が住んでいて、その菌を消毒液で殺してしまうと、有害な菌が発生してしまう。また、消毒液は、細菌を殺す作用があるが、人の細胞は細菌よりも消毒液によるダメージを受けやすい → だから、消毒しない。
3:細菌がいるだけでは化膿、感染が起こることはまれだが、感染源となるような異物があると、感染は容易に起こる → だから、異物を取り除く。
という、3原則だけです。
この原則を押さえると、自分の体との対話ができます。
でも、自分の体が話していることがわからないときは、医者という通訳に聞いてください。
あくまで、話をするのは、自分。
医者は、通訳であって、お手伝いです。