譜久山仁 の 第3診察室

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「入院したほうがええんやろうけどなあ。」

Yさんは、進行性胃癌の患者さんです。
県立病院で手術後、抗がん剤治療をされていましたが効果がなく、
緩和治療(癌を取り除くのではなく、痛みや黄疸などの症状を抑える治療)をする目的で、
第3診察室に紹介されました。


「いらいらして、眠られへんねん。眠り薬の一番強いやつを出してくれへんか。」

Yさんは、初めてお会いしたとき、眉にしわを寄せて言いました。
黄色くなった顔に、疲れが浮かんでいます。
僕が当直をしている夜、23時ごろのことでした。

「県立病院では、入院したほうがいいって、言われているんですけど、家にいるって頑固に言い張って。」
奥さんが困った顔をしてうしろについています。

「それじゃあ、まずはよく眠れるようにして、ご本人が希望されたら入院していただきましょうか。
僕の外来の予約をお取りしておきますので、外来に来てくださいね。
もし、痛みや不安なことがあったら、いつでもご連絡ください。」


翌々日、Yさんは晴れ晴れとした顔で、第3診察室に来られました。
そして、
「入院したほうがええんやろうけどなあ。

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by fkymhts | 2005-04-08 14:30 | 医者と患者さん