譜久山仁 の 第3診察室

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家で過ごせる間は…


でも、今は調子がええねん。
先生、どうしたらええやろうか?」

「眠り薬で、よく眠れましたか?」

「夜は眠れるようになったんやけど、これから何が起こるか心配で。」

「それでは、これからYさんの体に起こることをご説明しますね。
その上で、Yさんが入院されるかどうかを決めてください。」


「まず、Yさんはご自身の病状について、聞きたいと思いますか?」

Yさんは、ご自身の意志で、病状について、すべて知りたい、と希望された。


「Yさんの胃癌の状態は、残念ながら、だんだんと悪くなっていきます。

抗がん剤の治療が効果なかったので、おそらく今よりよくなることはないでしょう。
今後、痛みが出てきたり、黄疸がひどくなったりする可能性があります。

体の状態が落ち着いている今の時期に入院されると、退院できる状態という目標を決められないまま、ずるずると入院されることになってしまうかもしれません。

それよりは、Yさんのお体の状態、ご家族のかたの受け入れが可能でしたら、おうちで過ごすことができる間は、できるだけおうちで過ごしていただいた方がいいと思います。

もし、お体の状態が悪くなられたときは、その症状がよくなるまで、入院で治療しましょう。

おうちでは、何かとご心配のことも多いと思いますが、ご心配があるときには、いつでも病院にご連絡いただきましたら、対応させていただきますので。」


すべて、包み隠さず、お話をしたあと、Yさんは、

「わかりました。まだ、家でしたいことがあるので、家で過ごせる間は、家にいようと思います。」

と、ご自身の意志で、選ばれました。


Yさんが選ばれた、残された時間の過ごし方。
その時間が今日のYさんの表情のように、さわやかで、輝いた時間でありますように。
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by fkymhts | 2005-04-09 22:50 | 医者と患者さん