譜久山仁 の 第3診察室

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帰りたいけど、帰れない。



いえ、ふくやまが帰れないんじゃないんです。
当直のときには、こんな気持ちになることもありますが‥。
今回は、患者さんのお話。クリックしていただけると、うれしいです。


 がんの終末期の患者さんを担当させていただくことが、あります。

がんの終末期、ですから、残念ながら、病状がよくなることはありません。

お体の調子も、段々としんどくなったり、痛みが出てきたりします。


患者さんとご家族様にとっては、しんどい、痛い、などの症状があると、

「この症状が楽になったら、退院できるんだけど‥」

と思われることが、多々あります。


でも、ふくやまや、他の医療スタッフには、

その患者さんがあとどのくらいお元気で居られるか、を考えると、

症状があっても、緩和治療によって症状が一時的に和らいでいて、

今を逃すと症状が更に悪化していくことが見えています。


患者さんやご家族にとっては、初めてであり、あまり繰り返し経験をすることがない事態。

ふくやまや医療スタッフにとっては、これまでの患者さんとの関わりから、今後の展開が予測できる事態。


ここで、これまでの患者さんとの関わりから得られた経験を、

今回の患者さんに対する個別の対応へと活かして、ご不安なくお帰りいただけるようにできるか、

が、もっとも大きく、困難な問題となります。


患者さんご本人の症状の緩和、気持ちのサポートに加え、

ご家族様のサポートや、退院後の緊急受け入れ態勢も大切です。


なんでもかんでも、退院することが良いわけではありませんが、

ご自宅で過ごすことのできる時間は、とっても貴重な時間であり、

主(あるじ)として、これまで生きてきた時間を、続けて生きることができるのです。


「あの時だったら、帰ることができたのに‥」

という後悔だけはしていただかなくて済むように、

ご不安なく、ご自宅でお過ごしできるようなバックアップ体制を整えていこうと思います。
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by fkymhts | 2010-06-12 23:07 | 診察室のひとりごと