譜久山仁 の 第3診察室

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バイキン って、悪いもの?

ゼロ歳から免疫力 にトラックバックです。

キズの処置に、消毒薬(と、ガーゼ)は欠かせない、と考えておられる患者さんが多いです。

外来でも、 

「消毒に来ました。」
「ケガをしたので、とりあえず、家で消毒だけはしてきたのですが。」

という声をよく耳にします。

消毒薬は万能の薬で、それをかけるとバイキンだけ殺してくれる、と考えられているようです。

しかし、それは大きな間違いで、
消毒薬で殺せない細菌はいても、薄めた消毒薬で人の細胞は死んでしまう
ということを、第3診察室ではご説明しています。
そして、第3診察室では、原則として消毒薬は使用せず、キズは水、もしくはぬるま湯でよごれを落とすだけです。

それでは、バイキンはどうしたらいいのか、という疑問に対して。

人の皮膚には、バイキン(皮膚常在菌)がいます。
そして、キズにも、当然のことながら、バイキンがいるのですが、
実は、キズにバイキンはいてもかまわない、のです。
バイキン単独で、感染(化膿すること)が起きるためには、組織1gあたり10万個から100万個の細菌が必要 といわれています。
これは、健康な人の皮膚ではありえない細菌の数です。

それでは、なぜ、キズが化膿するか、というと、キズの中に異物や壊死組織がいると、1/500~5,000の数の細菌で、感染が起こってしまうからです。
この場合、1gあたり200個の皮膚常在菌で感染が成立します。

つまり、キズを化膿させない為には、消毒をするよりもよごれ(異物や壊死組織)を除くことが必要なのです。

そのうえ、バイキンに対する消毒薬の効果、というのは、1日に1回や2回では、まったく効果がない、というのが、常在菌-蟻モデル で、非常にわかりやすく説明されています。

しかも、消毒薬による副作用の中には、致命的なショックも含まれています

それでも、バイキンを殺す為に消毒が必要でしょうか?

消毒、というのは、医療行為にとって必要なものです。
しかし、医療の現場では、あまりにも不必要な消毒が多く、それによってキズの治りが悪くなったり、副作用が出たりしています。

消毒薬を濫用すると、バイキン(ここでは、皮膚常在菌)が死んでしまって、代わりに病原性のある、消毒薬でも死なない菌が増えてきます。

バイキン、と、ひとまとめに考えず、皮膚常在菌(普通に皮膚にいる菌)と、病原性の細菌を分けて考える必要があります。

そして、消毒薬を使うことによって、病原性の細菌を増やしてしまうことだけは、避けなければなりません。
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by fkymhts | 2005-04-18 00:04 | キズの手当て