譜久山仁 の 第3診察室

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語り部=かたりべ

加藤眞三先生の 患者の生き方―よりよい医療と人生の「患者学」のすすめ を読んでいます。

患者さんの立場から、どの医師にかかればよいかを、病院ランキングに頼るのではなく、自分自身の目や医療関係者、自分の周りの人からの情報を元に決める方法をわかりやすく書かれておられます。

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ふり返って、自分自身のことについて。

第3診察室で、自分が提供できている医療は何なのか。

専門は消化器外科ですが、120床の個人病院に勤務する町医者として、おなかの中よりも外を見ている時間のほうがはるかに長いです。

第3診察室で、患者さんがもっとも必要としていること。

それは、おなかの具合が悪いとか、ケガをしたとか、お尻が痛いとか、なにか問題があって、第3診察室に来られて、とにかく、何とかしてほしいということ。

第3診察室で治療ができるのなら、してほしい。
もし無理なのならば、次にどうしたらよいのかを教えてほしい。

インフォームドコンセントが声高に叫ばれ、患者さんの自己決定権が重視される中、
それじゃあ、どうぞご自由に、と言われても患者さんは途方に暮れてしまうことが多いように感じます。

町医者として、医療者として、患者さんにとって医療の語り部になることが必要とされている、と、強く感じます。

かたりべ
1 古代、古伝承を儀式の際に語ることを職掌とした部民。
2 転じて、自ら体験・伝聞したことを後世に語り継ぐ人。
                                   大辞林(三省堂)より

とあります。

後世に語り継ぐわけではありませんが、患者さんが自己決定をするために必要とされる情報を、専門家の立場からお伝えする。

医療に関する情報は、あふれかえっています。
その中から、患者さんに必要な情報、そして情報だけでなく実際に体験して良いと考えられる治療法を、患者さんに提示し、患者さんをempowerする。

それが、第3診察室で必要とされていることであり、
町医者としては、empowerした患者さんから選ばれるだけの技術、知識を高めていきたい、と思っています。
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by fkymhts | 2005-04-21 13:13 | 診察室のひとりごと