ナミねぇ こと 竹中ナミさんのお話を聞く機会がありました。
ナミねぇは、
プロップステーションという障害者に対する就労支援組織を創設し、ユニバーサルな社会の実現を目指しています。
ユニバーサル、とは、すべての人に自分のもてる力を発揮できるチャンスがあり、力を発揮することによりお互い支えあっている状態、のことだそうです。
日本の福祉の考え方は、障害者を健常者が支える、というものであり、障害者は支えられる側と位置づけられています。
そして、その根本には、障害者は健常者ならできることができない、気の毒な人、という同情があります。
でも、ちょっと待って。
健常者といっても、生きるのに必要なことをすべて自分でまかなっているわけではないでしょう。
服を着るのに、糸から紡いで生地を作って、デザインした服を着ている人。
ご飯を食べるのに、米を稲から育てて、稲刈りして、脱穀して食べている人。
魚を食べるのに、釣竿をかついで海に行って、魚を釣ってきて食べている人。
こういう人は、とても少ないでしょうし、一つ一つのこと単独ではしていても、すべてのことをしている人は、おそらくいないでしょう。
文明、文化が進んでくると、生きるのに必要なことをすべて自分でまかなうことができなくても、生きることはできるのです。
そういう、大きな観点から考えると、健常者ができて、障害者ができないことって、実はあまり大きな問題ではないんじゃないかな。
本当にしなければいけないことは、障害者を支えられる側、と位置づけるのではなく、障害者が持っている能力を最大限発揮できる環境を作ること。
そして、障害者が力を発揮することによって、社会参加し、それによって障害の有無に関わらず、お互いが支えあえる状態ができること。
それが、本当のユニバーサルな社会、ということが、ナミねぇのお話でよくわかりました。