譜久山仁 の 第3診察室

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望む死に方

 タイトルにドキッとしたら、ごめんなさい。
先日、ふくやまが患者さんのご家族に言われて、うれしかった言葉なんです。



今日は、久しぶりにがんの緩和医療のおはなし。
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 胃癌で近くの総合病院にかかっておられ、抗がん剤治療をうけられましたが、
病状が進行して体力がもたなくなり、緩和医療目的で譜久山病院に紹介された方です。

しばらくは、第3診察室での外来治療をしていましたが、
食事が出来なくなり、動くことができなくなって、ご入院されました。

ご入院されたときに、
「ご自身の病状について、詳しく知りたいですか?
もし、知りたくなければ、ご家族にお話ししますが、どうしますか?」
とお伺いしたところ、
「全部知りたい。」と言われたので、治療もご本人と相談しながら進めることが出来ました。

はじめに
「どのくらいの期間、生きておられるとおもいますか?」
と、率直に伺うと、
「5-7日くらいかな…」
というお返事。

かなり、ご自身の予後を厳しく見ておられることがよくわかりました。

「点滴も、輸血もしていらんから、とにかく、痛くないようにだけしてほしい。」
というのが、ご本人のご希望。

ご本人の意思を尊重し、緩和チーム内で相談しながら、
痛みどめが内服できなくなることが予想されたので、飲み薬から貼り薬へ変更して、痛みのコントロールを行い、
輸血は行わず、必要な栄養についてはアイスクリームなど食べやすいものをお出しし、
ご入院後2週間と少しで、ご家族に囲まれて、安らかな最期を迎えられました。

痛みのコントロールを開始したのちは、最期まで痛みはなく、
ご家族からは、
「本人が望む死に方が出来ました。ありがとうございました。」
とのお礼の言葉を頂きました。

緩和医療では、残念ながら、患者さんが退院される時は亡くなる時のことが多いです。

死は、敗北ではありません。

医療者にとっての敗北は、患者さんが苦しい最期を迎えざる得ないことであり、
ご家族から「この病院で最期を過ごせて良かったです。」 と言ってもらえないことです。

心からの、
「ここの病院で良かった。」
と言っていただけるような、緩和医療を提供していきたいです。
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by fkymhts | 2011-04-02 22:31 | 医者と患者さん