譜久山仁 の 第3診察室

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いえの食事がおいしくて。

 進行癌でご自宅で療養される為に退院された患者さんが、外来に予約どおり来られました。

退院後、譜久山病院に併設されている訪問看護ステーションの看護師さんから
「ご自宅での生活も、順調です。」
との報告を受けていたので、ひと安心していましたが、それでもお顔を見るまでは、少し心配です。

ご家族と一緒に、第3診察室に元気なお顔で入ってこられました。

「いかがですか?」

「いえに帰ってから、食事がよく食べられるようになりました。」


本当に、安心しました。

入院中は、食べられる量が安定しなかったため、点滴をつづけていたので、訪問看護師さんにも毎日点滴に行っていただくように指示を出していたのですが、点滴なしでも大丈夫とのこと。

「いえでは、ちょっと食べたいものを食べることができるので。」

「そうですね。
ご自宅でしたら、ちょっと食べたい、ちょっとしたい、ということができるんですよね。
残念ながら、入院では、それができないので、お体のお具合が落ち着かれている間は、できるだけご自宅で過ごしていただいたらいいと思うんです。」

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ご自宅では、患者さんが 主 = あるじ です。

病院では、どうしても、病気に対して目を向けられがちです。
でも、病気は、その患者さんの一部分であり、患者さんの生き方によっては、病気の治療よりも大事なこともあるかもしれません。

患者さんが、(いいえ、治療を受けられないと決められれば、患者さんという呼び方もふさわしくないかもしれません。)、病気を持ったその方が、主として過ごせる環境で、主として自分の人生を決めていく。

医療者は、その方の自己決定を可能な限りサポートする。

その自己決定の中には、医療、そして医療者は万能ではないということを了承していただく。

こういう関係って、素敵だと思いませんか?
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by fkymhts | 2005-05-08 18:33 | 医者と患者さん