譜久山仁 の 第3診察室

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95歳まで、頼みます

 退院された患者さんのお宅にお伺いする機会がありました。
以前は学校の先生をされておられた方ですが、昨年から体調が悪くなり、3回入退院を繰り返されています。

昨年、初めて入院されたときは、ご自分で寝起きされることが困難なくらいでしたが、このたびの退院後はご自宅内での移動は人の手を借りずにできるようになっておられました。

初めにお会いしたときは88歳。
今年の7月には90歳を迎えられるとのこと。

「88歳のときには、教え子に米寿のお祝いをしてもらったけれども、90歳になったらみんなを招待してお返しをしたい。」

「体の調子が悪かったときには、もういつ死んでもいいと思っていたけれども、調子がよくなってくると不思議なもので欲が出てきた。」

「担任をした教え子の50回目の同窓会が5年後にあるので、それまで出席したら目を閉じてもいいと思っている。先生、それまでよろしく頼みますよ。」

入院されていたときより、つやつやとした顔で、闊達にお話をされました。
ご自宅のお庭には奥様が丹精に手入れをされた樹木や薔薇、はまなすなどの花が咲いています。

c0029677_23161510.jpg「退院されて、一層お元気になられましたね。
やはり、我が家に勝るところはありませんでしょう?」

「病院は、病気の方が治療で一時期を過ごすのには必要なところですが、体の調子がよくなったら、 あるじとして生活ができるご自宅で過ごされるのがいいと思います。」

95歳を元気に迎えられるように、僕ができる限りのことをさせていただこう、と心に決めました。
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by fkymhts | 2005-05-15 23:16 | 医者と患者さん