譜久山仁 の 第3診察室

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癌のあたらしい治療 : 粒子線治療

 7月9日、癌の粒子線治療の講演を聴いてきました。
兵庫県立粒子線医療センター名誉院長の 阿部 光幸 先生のお話は、放射線治療をしていない者にも、わかりやすく、切らずに治す癌の治療について興味深く拝聴しました。

 粒子線治療については、兵庫県立粒子線医療センターのホームページにわかりやすく、詳しく書いてありますが、簡単にご説明すると、癌の場所を正確に評価して病巣に集中的に粒子線を照射し、それ以外の正常組織に与える副作用を最小限にできる放射線治療です。



 粒子線治療があたらしいのは、これまでの放射線治療と違って病巣を狙い撃ちできることです。
放射線には、光子線と粒子線があり、
 光子線:X線、γ(ガンマ)線
 粒子線:陽子線、炭素線  にわけられます。

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 光子線は、体表(皮膚などの体の表面)の相対線量(放射線の強さ)がもっとも強くなり、体の深部になるにつれて相対線量が弱くなります。
そのため、体の深部にある病巣よりも皮膚などの浅い部分にあたる放射線の方が強くなり、副作用も強く出ます。
 粒子線は、体表から一定の深さで相対線量を強くなるように調節することができるので、病巣にあわせて相対線量を強くすることが可能で、それ以外の部分への副作用を減らすことができます。

このため、これまでの放射線治療よりも強い放射線を、必要な部位に狙って当てることができ、副作用が少なく、効果の高い治療ができます。

まだ、医療保険を使うことのできない高度先進医療ですが、痛くなく、早く治り、治療成績が良く、手術と違って切った跡が残らないという点で、これからの癌治療の大きな選択肢になると思います。

 このようなあたらしい治療を、患者さんにお知らせして、望まれる医療を受けることができるよう、講演会に参加して知識を深めていきたいと思います。
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by fkymhts | 2005-07-10 11:40 | 病気のこばなし