譜久山仁 の 第3診察室

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僕が覚えていないと…

 「僕が覚えていないと、いけないから…。」


 死亡確認の後、奥さんが亡くなられた時刻を確認するためにナースステーションを訪ねてこられたご主人が、さびしげな微笑みを浮かべられました。




 独身の時は、ご家族が患者さんを亡くして悲しまれている様子をお気の毒に思っていました。

 結婚し、子供を持つ身となってからは、奥さんを亡くされるご主人、子供さんを亡くされる親御さんの心が痛いのです。


 その立場にならないと、わからないことがあります。

 独身の時にお気の毒に思っていた気持ちは、決して「いつわり」ではないのですが、実感としての「おもみ」はあまりなかったのでしょう。

 今は、患者さんのご家族に自分を置き換えると、その実感は痛いほど「おもい」のです。

 
 患者さん、そして、そのご家族と全く同じ気持ちを持つことはできないでしょう。

 でも、その立場に自分を置き換えることが出来るようになってくると、それまでとは違った、より寛容な医療をすることが出来ると思います。
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by fkymhts | 2006-01-26 00:26 | 医者と患者さん