譜久山仁 の 第3診察室

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救い

 「先生にお任せして、先生が良かれと思ってしてくれたことなので、
それでうまくいかなかったのだったら、あの人の寿命だったのでしょう。」



ご家族の言葉で、僕は救われました。

患者さんに良くなってもらいたい一心で、治療を続けてきて、
その患者さんに最善と考えられることをして、
それにもかかわらず、不幸な結果に終わってしまう。

なにがいけなかったのだろう。

どうしたら、良かったのだろう。

その時点、時点で、どうするか考え、良いと思った方法を取ってきました。
振り返ってみても、この時にこうしておけば‥、ということが思いつきません。

それだけに、自分の治療そのものが不幸な結果を招いたのでは、と、行き詰ってしまいます。


人の身体は、ひとりひとり違います。
前にうまくいったからといって、この患者さんでもうまくいくかどうかはわかりません。

でも、その不完全さをカバーできるだけの余裕のある治療を提供したい。

そう、思って治療をしてきました。


救われない思いを救って下さったのは、
深い悲しみの底におられる、患者さんのご家族、ご自身でした。


「ここの病院には縁があるのです。
この病院で診てもらえることになって、本当に感謝していました。
先生は、ご自身がされたことが裏目に出たと思われているかもしれませんが、
本当によくしていただいて、感謝しているんです。」

そう続けられるご家族のお言葉に、
ただただ、頭が下がりました。
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by fkymhts | 2006-06-04 22:22 | 医者と患者さん