譜久山仁 の 第3診察室

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尊厳

 医療者として、守るべきものに、患者さんの健康があります。

でも、健康と同じように、
いや、場合によっては、健康以上に守らなければならないもの。



それが、尊厳です。

患者さんが、その人らしく生きること。
尊厳を失わずに、おだやかに過ごせるようにすること。
そのためには、まず、苦痛を取り除くこと。

こうして、消化器外科医として癌患者さんに緩和ケアを提供してきました。


病院の中にいると、とかく悪性疾患ばかりに目が行きがちですが、
尊厳を守ることが出来なくなるのは、癌の方ばかりではありません。

悪性疾患を中心としたホスピスケア。
それを超える概念として、コミュニティケア、を、「病院で死ぬということ」の山崎章郎先生が提唱されています。

病気であれ、老齢であれ、痴呆であれ、また障害であれ、自力では自らの尊厳を守ることが困難になってしまった人々の尊厳を、社会として守っていこうとすること

その人が生きる地域で、コミュニティで、
その人の尊厳を守っていく。

この考え方には、僕は深く共感します。

そして、この考え方は、
地域リハビリテーションを提唱される澤村誠志先生 の言葉にも通じます。

「どんなに体が不自由であっても、生活が出来なくなってもね。
住みなれた地域の中で尊厳を持って住みつづけることが出来るような、
あったかい世の中つくりたい。
心の豊かな生活をつくりたい。
それが僕の考え方です。」

譜久山病院があるコミュニティで、皆さんが尊厳を持って生きていけるように。
そして、そのコミュニティを支えることができる病院であるように。
それが、僕の願いです。
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by fkymhts | 2006-10-15 19:17 | 診察室のひとりごと