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譜久山仁 の 第3診察室
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上を向いて
 一人の患者さんが、亡くなろうとしています。

その方のご家族に、

終末期医療についてのご相談をしました。


今日は、ちょっとずっしりとくるお話です。クリックしていただけると、うれしいです。

 終末期医療。

病気の治療を目的とせず、病状が悪くなったときに
もっと、具体的にいうと、
血圧が下がったり、呼吸が止まったり、心臓が止まったときに、
どの様な治療を希望されるか。

 入院直後、癌の終末期状態の患者さんには、終末期医療についてのお話をするのですが、
時間がたつにつれて、ご意見が変わることがあります。

 まだお元気だったときに「延命治療は希望しません。」と言われていても、
ご家族の死が実際に目の前に近づいてくると、ご意見が変わる。
これは、自然なことだと思いますし、
ご意見が変わっていないかどうかは必ずお尋ねするようにしています。

 そのご家族に、
「今晩中に、容態が悪くなって、亡くなられるかもしれません。」
と、お話しすると、

 上を向いて、
じっと、考え込まれました。
まるで、涙がこぼれないように。

 そして、
「先生、少し、お時間を頂いてよろしいですか。」

「どうぞ、どうぞ。」

 
 20分ほど、ご家族でお話をされたのでしょう。

「このまま、酸素マスクだけして下さい。

呼吸を助けるための管を入れたり、機械につないだりはしないでください。

父のそういう姿は見たくないですし、本人も希望しないと思います。」

 と、お返事をいただきました。


 その人にとって、

その人のご家族にとって、

どのような最期がふさわしいか。


 これは、医者が決められる問題ではありません。

そして、正しい答えも、ありません。


 じっと、上を向いて。

その患者さんが、どう希望されるか。

そして、ご家族として、どう希望されるか。

しっかりと考えられた、その答えが、

ただひとつの答えだと思います。
by fkymhts | 2007-07-25 23:52 | 医者と患者さん | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from 第3診察室 at 2007-08-04 19:35
タイトル : 遺言
上を向いて で、こんなメッセージを頂きました。 遺言を事前にちゃんと書く人ってどれくらいいるんでしょうね。もちろん、ふいに事故等で亡くなるならば書けないでしょうが、それでも私なら50歳くらいになったら元気でも作っておこうかと思います。言いたいのは先を見る、そういう意識が各個人に必要だと言うことです。 おっしゃるとおりです。 人は、いつか死にます。 なので、自分はこう死にたい、というものを持っておくのは大切なことだと思います。 医療の進歩に伴って、寿命が延び、 治療をすれ......more
Commented by せい at 2007-08-03 14:31 x
遺言を事前にちゃんと書く人ってどれくらいいるんでしょうね。もちろん、ふいに事故等で亡くなるならば書けないでしょうが、それでも私なら50歳くらいになったら元気でも作っておこうかと思います。言いたいのは先を見る、そういう意識が各個人に必要だと言うことです。国をあげてそういうふうに指導すべきとも思う。それと同じで、もし治らない病気であったり末期のとき家族に治療法をゆだねるのでなく「自分はこうしてほしい」と決めておくべきだと思います。これも私だったら、苦しみや痛みを伴い治らないのであれば、苦しみは軽いほうがよいので「安楽死」を希望します。だらだら生きても子供達に面倒をかけるだけの話。延命や安楽死についてトラブルが減ることを願っています。
Commented by fkymhts at 2007-08-04 19:22
せいさん、コメントありがとうございます。
はじめまして。ようこそ第3診察室へ。
どういう死に方をしたいか、は、非常に大切なことです。
ちょっと、別の記事で取り上げて見ますね。
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