譜久山仁 の 第3診察室

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アル中、なんです。

 当直をしていると、救急隊から連絡が来ました。


今日は、ちょっと怒りモードです。
クリックしていただけると、うれしいです。

「20歳代男性。
アルコールを多飲して、嘔吐をしている状態です。
意識状態は酩酊、血圧、脈拍は安定しています。
受け入れ、お願いできますでしょうか?」

「はい、どうぞ。」


運ばれてきた男の子には、身内の方が付き添われていました。

「普段、あまり飲まない子なんやけど、こんなに飲んで大丈夫かな、と思ってたんや。」
「どっこも悪いところないか?」
「ちょっと、飲みすぎたって、ことかな?」


 幸い、嘔吐物を誤嚥する(吐いたものをあやまって気管に吸い込んでしまうこと)こともなく、
点滴をしているうちに意識状態もすぐに正常になりましたが、
身内の方の認識を聞いていると、悲しくなってきました。


「お酒を飲んで酔っ払うことはあるかもしれませんが、
救急車のお世話になったりしないようにしてください。
命に関わることもありますので。」

と、お伝えするにとどめましたが、
あまりにも、アルコールについての認識が甘すぎます。


ちょっと飲みすぎた、
というだけではなく、
病院に運ばれる状態というのは、
立派な「アル中:アルコール中毒」です。


急性アルコール中毒、というのは、
自分自身の身体に負担をかけるだけではなく、
救急隊、救急外来にも迷惑がかかります。

その上、医療保険での治療を受けることがほとんどなので、
アルコールを飲んでいない、他の人たちが積み立てている保険金を
治療のために使っているのです。


医療保険は、本来、病気になって仕事ができなくなった時の治療費を、
元気な時に、また、元気な人たちが負担し、助け合う、という共済の仕組みです。

その、医療保険で積み立てている治療費を、
病気ではなく、自分の不注意で起こしたアルコール中毒のために使われる、
というのは、憤りすら感じます。

自分でしたことの責任は、自分で取るように、
アルコール中毒の治療費は自費にするべきではないか、
と、夜中にアルコール中毒の患者さんを診るたびに思います。


あなたが積み立てている保険金、
隣の人が飲んだお酒の後始末に使われても、許せますか?
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by fkymhts | 2007-09-09 21:34 | 医者と患者さん