譜久山仁 の 第3診察室

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診療報酬、引き上げ。 向かい風はなくなりましたが‥。

 診療報酬が引き上げられます。
診療報酬(しんりょうほうしゅう)とは保険機関が医療機関に支払う報酬のこと。
詳しくはwikipediaの「診療報酬」をご参照ください。

 診療報酬改定は、ほぼ2年に1回行われていますが、薬価(薬代)を除いた本体部分が引き上げられるのは2000年度の改定以来、8年ぶりのことです。

 とはいえ、引き上げの幅は、0.38%。
日本医師会が必要としている5.7%には、到底及ばない数字です。


今日は医療を取り巻く財政ニュースについて。
今、もっともホットな話題です。
クリックしていただけると、うれしいです。

 財源に限りがあるので、数字が異なるのは致し方ないのですが、
問題は、その数字の根拠。

 どうして0.38%で、 どうして5.7%なのか、
なのです。

 どうして5.7%を要求するのか、は、

具体的には、日本の医療機関は全体で「赤字」であり、07年の倒産は9月までで39件に上り、既に過去最高だった06年の30件を上回っていることから、「地域医療を支えるためのコスト」として9,600億円・約3.8%の引き上げを要求。また、国民のニーズが高まっていながら、ほとんど評価されていない「国民の安心を守るためのコスト」という観点から2,200億円・約0.9%アップさせる必要性を指摘している。さらに、日本の医療は医療従事者の〝ボランティア精神〟で持ちこたえてきたものの、現場は疲弊し、特定の診療科からの撤退も続出。優秀な人材や良質の医薬品・医療機器等が不可欠として「医療の質を確保するためのコスト」という視点から2,700億円・約1.1%の引き上げを求めている。

という根拠を挙げています。(キャリアブレインより引用)

また、日本医師会ニュースでも、
あるべき医療費の増額要求は国民の安全と安心のため

としたコメントをあげており、
度重なる医療費の抑制によって医療現場は疲弊しており,これ以上の抑制は医療の崩壊を招くと主張
しています。(日医ニュースより引用)

 一方、0.38%の根拠としては、

 与党幹部の一人は同日、「財源に余裕がない中での最大限の引き上げだ。0・35%や0・36%など、四捨五入して0・4%に近づける努力をしている」と語った。
YOMIURI ONLINEから引用)

 0.4%に近づける努力をしている、という、0.4%にしても、
その根拠は示されていません。

 もっとも、それ以前に、
財務省は0・1%の引き上げが上限と主張した
とされており、それよりはマシになっているのですが‥。
 
 国民の健康を守ることは、国にとって非常に優先されるべき問題であり、
財源に余裕がない、という理由ではなく、
十分な根拠に基づく数字で議論して頂きたいものです。

 
07年の倒産は9月までで39件に上り、既に過去最高だった06年の30件を上回っている
(前出のキャリアブレインより引用)現状です。
医療崩壊が進んで、すぐに行ける医療機関がなくなってからでは、手遅れです。

 病院を守り、地域を守る側としては、
診療報酬の引き下げという向かい風がなくなっただけでもプラスに考えて、
出来る限りのことをしていく覚悟です。

 ただ、
ギリギリの財源しか確保できないと、安かろうまずかろうになってしまい、
この国の医療をWHOが世界一と認めたレベルに保つことは、困難だと思います。
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by fkymhts | 2007-12-17 23:21 | 診察室のひとりごと

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