譜久山仁 の 第3診察室

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カテゴリ:キズの手当て( 119 )

汚れたキズの処置には… (ドレナージ の イチオシ!)

 転んで中に泥が入ったキズや、犬にかまれたキズの場合、あとで化膿することが多いです。
そこで、消毒や抗生剤を… というのが、これまでの治療でしたが、消毒には意味がなく、抗生剤は必ずしも必要ではありません。
必要なのは、化膿する原因となる(化膿の素となる)ものを除いてやることです。
具体的には、キズの中にたまってしまう液や、膿を外に出してやると、化膿は驚くほど少なくなります。
そのために、これまではガーゼを細くしたもの(タンポンガーゼ)をキズの中に入れることが多かったのですが、実は、これは良くない方法です。

その理由は3つ。
タンポンガーゼでかえってキズの入り口をふたしてしまって、中に膿がたまることが多い。
ガーゼそのものが感染源(化膿の素)になることがある。
毎回入れ替える必要があり、患者さんにとって、非常に痛く、また、ガーゼを入れ替えるたびにそこで新たにできている組織をはがしてしまうのでキズの治りも悪くなる。

ということから、最近は、キズを縫うときに使うナイロン糸を束にして、ドレーンとして使っています。この、ナイロン糸ドレナージは、とても効果があり、かつ、患者さんの苦痛も少ないのでドレナージとしてはイチオシです。

 外傷(キズ)だけでなく、術後の細い瘻孔にも有用です。
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by fkymhts | 2005-03-13 22:00 | キズの手当て

閉鎖療法をお近くでお探しのときは

顔面挫創の患者さんが来られました。
処置をする間、

「消毒はしないよ」 「えっ、消毒しないんですか?」
「お風呂には入っていいからね」 「えっ、ぬらしてもいいんですか?」
「乾かさないようにしてね」 「…」

という、一般的な反応に対して、閉鎖療法についての説明をして、
最後には、納得していただいて、閉鎖療法を紹介している文書を渡しました。

ところが、ひとつ問題が。
たまたま、西明石に来られてケガをされて、今後の治療は地元でしないといけないのです。
紹介状をお渡しして、治療法についての説明はするものの、まだまだ、閉鎖療法をしていない医療機関が多いですよね。

そこで、便利なのが、外傷を閉鎖療法で治療している医師,およびリンク です。

今回は、残念ながら、地元に閉鎖療法をされている病院がなかったので、治療法についての説明、閉鎖療法のHPの紹介を紹介状に書いて、患者さんを送り出しました。

紹介先の病院で、無事に閉鎖療法をしていただけると良いのですが…。
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by fkymhts | 2005-03-12 17:24 | キズの手当て

やけどにラップ

 足の指にやけどをした1歳のお子さんが第3診察室にこられました。
水ぶくれができていて、お母さんは心配そうです。

やけどで、水ぶくれができている時は水ぶくれを破らないほうが治りが早いということが50年前から言われています

1958年のOdlandによる「熱傷は水疱を破らずに,そのままにしておいた方が速く治癒する」というものだった。それまでは「熱傷の水疱は早く取り除き,乾燥させないと治らない」と信じられていたのだから,当時の常識を真っ向から覆す報告だった。
 

 水ぶくれを破らないこと
 やけどの周りをきれいにすること(お風呂に入って、きれいに洗うこと)
 乾かさないように、また、水ぶくれが破れないように白色ワセリンをぬってラップを貼ること

この3点を、説明して、自宅で処置してもらうようにしました。

ワセリンをぬって、処置をする間、お子さんはニコニコ顔で、機嫌よく過ごしてくれました。

数日後、経過を見せてもらう為に外来に来ていただくのが、楽しみです。
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by fkymhts | 2005-03-11 00:29 | キズの手当て

消毒って、必要?

 ケガをして第3診察室にこられる患者さんの中には、「家でとりあえず消毒をしてきました。」という方がおられます。時々、「キズを乾かすスプレーで消毒してきました。」といわれる方もおられます。
病院にこられる前にキズの手当てをしてくれるのはありがたいのですが、実はキズの治療に消毒は必要でないことが多いのです。
 消毒液、というのは、たんぱく質を壊すことによって細菌を殺す作用を持っています。
しかし、消毒液によって細菌のものだけでなく、人のたんぱく質も壊され、人の細胞も死ぬのです。
しかも、人の細胞は細菌よりも弱いので(細菌は周りを細胞壁という壁で包まれていますが、人の細胞は細胞膜という膜で包まれており、細胞膜のほうが細胞壁よりも消毒のダメージを受けやすいので)、消毒によって細菌は死ななくても人の細胞が死んでしまう、ということが起こります。
 その上、消毒液は、血液や膿などがキズについていると、そのたんぱく質を分解するのに使われてしまって、キズで目標をするべき細菌に対してほとんど役に立たない、ということが起こります。そして、殺菌力がなくなった消毒液に含まれている、界面活性剤の為に、人の細胞がダメージを受ける、という役に立たないだけでなく害になる、というとんでもないことが起こります。
 さらに、その上、キズに細菌がいても、必ずしも化膿するわけではなく、化膿する為には感染源という「化膿の素」が必要なのです。
 ということから、キズが化膿しそうなとき、または、化膿した場合にしないといけないのは、「化膿の素」である感染源を取り除いてやることなのです。
そのためには、消毒液を使うのではなく、きれいな水(水道水で十分です)でキズの周りの汚れを落とすことが必要です。
 その上で、病院に来ていただけると、とても処置がスムーズに行きます。
 まちがえても、キズを乾かすようなスプレーは、使わないでください。
 
 
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by fkymhts | 2005-03-10 23:48 | キズの手当て

夏井先生fan

 閉鎖療法を求めてうちの外来に来られている患者さんがいます。
その中でも、あちらこちらの病院で消毒とガーゼの治療を受けられて、治らなくて、(というよりは、悪化して)ご自身でインターネットを調べて、夏井先生のHPにたどり着き、そこからうちの病院を探し出してきた、という方が、お二人おられます。
お二人とも、それまでの長い道のりを詳細に紙に書いてきてこられ、治療に対する関心を非常に持っておられます。
お二人とも、単にキズを閉鎖するだけでは治らず、感染源を除去する処置、手術が必要でしたが、ご自身の治療に理解を持ってもらうことができ、順調に治療が進んでいます。
お二人とも、3月26日に譜久山病院での夏井先生の講演会に是非出席されたいと意思表明されており、長野から遠く離れた明石にも、しっかり夏井先生fanはいます。
 夏井先生のおかげでこの患者さん達と会うことができ、治っていく過程を一緒に楽しめた(この患者さんたちは、治療の経過を本当に楽しんでいるんですね)と思うと、ひとのつながりの不思議さを感じます。 
 3月26日、夏井先生にこのお二方をご紹介するのが楽しみです。
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by fkymhts | 2005-03-09 02:06 | キズの手当て

キズの応急処置

 怪我をしたときの応急処置でしてほしいことは
①しっかりと水道水で汚れを洗い流す
②ラップ(サランラップ、クレラップなどの食品用ラップ)でキズをおおう
③できるだけ早く、病院に行く
です。
また、してほしくないことは
①キズを乾かすタイプのパウダー型消毒液などを使う
②そのほかの消毒液を使う
③病院にいかずに、痛みやはれがひどくなるまで待ってから病院に来る
ことです。

 怪我をしたら、基本的には消毒をせず、病院に来てください。
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by fkymhts | 2005-01-15 23:23 | キズの手当て

閉鎖療法って

 キズを作ってこられた患者さんの治療に閉鎖療法を行っています。
閉鎖療法とは、 キズを乾かさない治療です。

 キズって、乾かしたほうが早く治るのでは、と考えられていることが多いのですが、
実際には、キズは乾燥させない方が早く治る!ことがわかっています。

それだけではありません。
キズは、消毒しないほうがいいこともあるのです。
消毒液は、細菌をころしますが、正常の人の細胞も障害を受けてしまうのです。

これまで常識とされていたことが、そうではなかった、ということがありますね。
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by fkymhts | 2005-01-13 23:15 | キズの手当て

女の子の顔のキズ

 7歳の女の子が転んであごの下を切って診察室にやってきました。
お父さん、お母さんも心配そうです。 
「縫わなくてもいいでしょうか?」
 キズの中には砂が入っています。そのままにしていると、キズが化膿してしまいますので、砂は外に出さないといけません。かといって、麻酔の注射をするとないてしまって、治療どころではなくなるでしょう。
 そこで、普段使っているのが、麻酔薬のゼリーです。これをキズの上に塗って、しばらく待つと、痛みがほとんどなくなり、砂を外に出す為にブラシでこすっても大丈夫。もし、それでも痛い時には、麻酔薬のスプレーを追加します。
 なんとか、痛みがない状態でブラシをかけて砂を取り除くことはできましたが、傷が深い為、縫うことになりました。
結局、麻酔の注射をしましたが、ゼリーとスプレーの効果のためか、女の子が泣くことなく、キズを縫うことができました。  ホッ。
 お子さんの治療をする時に、こわがられたり、泣かれたりすると、お子さんは病院嫌いになり、治療に協力してくれなくなります。なんとか、痛くないように、こわくないように、そして泣かれないように診察しています。
 でも、診察室を出た後で、大きな泣き声が‥。
 ジュースを買ってもらえなかった、と、泣いてしまったようです。
 また、明日も、笑顔で診察室に来てくれるのを楽しみに待っています。
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by fkymhts | 2005-01-10 03:56 | キズの手当て

初めて第3診察室へ来られた あなたへ

譜久山病院で診療をしています、譜久山 仁 のブログ、

譜久山仁の 第3診察室へ ようこそ。

「どこに何が書いてあるのか、ようわからん」、というあなた。
こちらをご覧ください。

 「家でキズの手当てをするときって、どうするんやったっけ?」、と外来でお話したことがうろ覚えのあなた。
こちらでもう一度、ご確認ください。

 「消毒をしない、ガーゼを当てないキズの手当ての方が早く治るって、ほんまかいな」、と半信半疑のあなた。
消毒については、こちらに消毒薬に対する特効薬がありますので、お読みください。
ガーゼを当てる治療については、これまで受けてこられた治療のことを、こちらを読んで思い出してみてください。
そうしたら、キズの処置にはキズにくっつかないものがいい、ということがお分かりいただけるでしょう。

 そして、譜久山病院で行っている湿潤療法について、ご理解を深めていただけると、とてもうれしく思います。

なお、湿潤療法についての詳しい情報については、夏井睦先生の
「新しい創傷治療」をご参照ください。

また、お近くで湿潤療法をしている医療機関は、こちらで探すことができます。

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by fkymhts | 2005-01-10 00:00 | キズの手当て