譜久山仁 の 第3診察室

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カテゴリ:医者と患者さん( 132 )

コミュニケーション

 この1週間で、コミュニケーションについての勉強会が2回ありました。


今日は、コミュニケーションについてのお話。このお話自体が、コミュニケーション不足にならなければよいのですが。クリックしていただけると、うれしいです。

接遇、という観点からの病院内の勉強会 と
緩和ケアにおけるコミュニケーション、というがん緩和のための、県立がんセンター主催の勉強会 です。

 どちらの勉強会でも強調されていたのは、
傾聴
ということ。

 相手の言葉を、批判的な感情を表さずに聞き、
その中から相手の気持ち、考えを引き出していくこと。

 相手がどんなに怒っているときでも、
(平均して)20分間、
じっと、相手の話に耳を傾けていると、相手の怒りは収まり、
すっきりとした表情になるそうです。

 ここでポイントとなるのは、
批判的な感情を表さずに、相手のことを受け止める姿勢で話を聞くこと。

 まず、相手を受容できるかどうか。
そして、相手の感情が収まった上で、理性的な話ができるかどうか。

 そこが、コミュニケーションを始める上で、大切なようです。
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by fkymhts | 2008-03-02 21:49 | 医者と患者さん

あなたの本当の年齢は? (血管年齢を知りましょう)

 生活習慣病とよばれる、糖尿病、高血圧、高脂血症(今は、脂質異常症といわれるようになりました)という言葉を耳にすることが増えてきました。


いくつに見える?って聞いて、ショックを受けないでくださいね。今日は、血管年齢のおはなし。
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これらの病気が原因で、動脈硬化が進行するのですが、
両手両足の血圧を同時に測って、動脈の硬さと、詰まり を調べる検査があります。

この検査のレポートは、患者さんにとても分かりやすく、
血管年齢、というものも表示されます。

 今日の医学教育の基礎を築いた、ウィリアム オスラーという内科の先生は、
「人は動脈とともに老いる」
A man is as old as his arteries     William Osler
 という言葉を遺しています。

 身体の中にはりめぐらされている動脈。
動脈は、酸素をたくさん含んだ血液を心臓から身体中に送り込みます。
この動脈の通りが悪くなると、その先には酸素が十分に行き渡らなくなります。
そして、酸素が届かない状態が続くと、その組織は腐ってしまうのです。

 外側からはわからない、あなたの身体の本当の年齢。
実際の年齢よりも若いかもしれませんし、齢をとっているかも知れません。

 血圧が高い方、手や足の先が冷たい方、少しウエストが気になる方、
健診でコレステロールや中性脂肪が高い方、糖尿の気があると言われている方、
そして、血管に大きなダメージが加わる、タバコを吸われている方。

 血管年齢を把握しておきませんか?

 あなたの本当の年齢がわかると、これから先の人生が変わります。

 動脈硬化の検査は、
お近くの医療機関、もしくは、
譜久山病院の受付および、第3診察室まで、ご相談ください。
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by fkymhts | 2008-02-17 05:48 | 医者と患者さん

時間

 「長い時間一緒にいても、別れるとなるとさびしいものですなぁ」


Mさんの最期の時に、奥さんが言われました。


今日はすこし、しんみりとしたお話です。
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きっと、60年以上、連れ添ってこられたのでしょう。

僕には推し量ることも出来ない、ご夫婦の歴史が、その言葉からにじみ出ていました。



 僕にとっても、主治医として関わらせていただいた5年間という時間は、

これまでの患者さんとのかかわりの中で一番長い時間です。


 死亡確認をする時に、Mさんと過ごしてきた時間が思い出されました。

「本当によく、頑張られましたね。」と言うのが精一杯で、

それ以上は声になりませんでした。


  
 「まだまだ、たくさん、お話したいことも、ありましたのに。」

死亡確認のあと、奥さんが言われました。


Mさんご夫婦と一緒に過ごさせていただいた時間からは、

たくさんのことを教えていただきました。

そして、その最期の瞬間にも、

ご主人との時間をいとおしむ姿にこころをうたれました。。


 時間。


他の何ものにも、代えることの出来ない、その人との時間。


Mさんご夫婦の間に流れてきた時間を垣間見て、

その時間の重みを、改めて感じました。
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by fkymhts | 2008-01-05 22:35 | 医者と患者さん

オーダーメイド

って、和製英語なんですね。


今日は英語の勉強から‥。ちょっと、物知りになりました?
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正式には、
made to order
もしくは、made-to-measureと言うそうです。

と、言葉あそびはさておき
健康管理年間スケジュールについて、外来に来られる患者さんにお話をしたところ、

「僕の作ってくれるんですよね。」
という、ありがたい反応が返ってきました。

早速、健康管理年間スケジュールのバージョンアップに取り組みました。

外来に定期的に通ってこられているすべての患者さんに当てはまる項目を基本とし、
生活習慣病、がんの患者さんに当てはまる項目を加えた、
made-to-measureなスケジュールを作成していきます。

少しずつ手を加えていきますので、
ご意見、ご感想、ご質問、よろしくお願いしますね。
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by fkymhts | 2007-11-19 18:17 | 医者と患者さん

口コミ と ポータル

 医療に関しての情報は、インターネット上に散乱しています。

そして、残念ながら、患者さんの弱みにつけこんで、利益だけを追求したものもあります。

何が正しく、信頼できるものか、判断することは、非常に困難です。


今日は、ちょっと、ここだけの話です。
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 いろんな情報は、ネットで集めることはできますが、

最終的に、どの情報を信用するか、という時に頼りになるのは、

口コミ のように思います。


 研究データがはっきりと公開されている治療や、

ガイドラインで一般的な方針が示されている治療は、

その情報を発信している組織が信頼できれば、まず間違いがないと考えられます。


 でも、

まだ、データが公開されていない治療や、

ガイドラインが出ていない治療、

一般的にされていない治療の場合、

最終的には、信頼できる医療者からの情報を信用する、

または、

信頼できる人が受けている治療を信用する、

という、口コミ が、一番安心できるのではないでしょうか。


 口コミ、は、

その情報を伝えてくれる人との信頼関係ができている場合、

なによりも頼りになる情報源です。


 口コミ は それまでの信頼関係を担保にした情報伝達方法なので、

信頼関係が高ければ高いほど、情報の正確さも高くなります。


 
 まち医者、として、

口コミ の情報をたくさん集め、

そして、その情報を、患者さんの治療に役立てていく。

いわば、治療についての情報のポータルとしての役割を果たせたら、

まち医者として地域医療にはば広く貢献できると思っています。


 抗がん剤が使えなくなった方への口コミで、治療法が目の前に開けた患者さんから感謝の言葉を頂いて、その思いを強くしました。


 これからも、
インターネットの情報が多くなるからこそ、口コミの情報を強化していきます。
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by fkymhts | 2007-09-10 23:09 | 医者と患者さん

アル中、なんです。

 当直をしていると、救急隊から連絡が来ました。


今日は、ちょっと怒りモードです。
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「20歳代男性。
アルコールを多飲して、嘔吐をしている状態です。
意識状態は酩酊、血圧、脈拍は安定しています。
受け入れ、お願いできますでしょうか?」

「はい、どうぞ。」


運ばれてきた男の子には、身内の方が付き添われていました。

「普段、あまり飲まない子なんやけど、こんなに飲んで大丈夫かな、と思ってたんや。」
「どっこも悪いところないか?」
「ちょっと、飲みすぎたって、ことかな?」


 幸い、嘔吐物を誤嚥する(吐いたものをあやまって気管に吸い込んでしまうこと)こともなく、
点滴をしているうちに意識状態もすぐに正常になりましたが、
身内の方の認識を聞いていると、悲しくなってきました。


「お酒を飲んで酔っ払うことはあるかもしれませんが、
救急車のお世話になったりしないようにしてください。
命に関わることもありますので。」

と、お伝えするにとどめましたが、
あまりにも、アルコールについての認識が甘すぎます。


ちょっと飲みすぎた、
というだけではなく、
病院に運ばれる状態というのは、
立派な「アル中:アルコール中毒」です。


急性アルコール中毒、というのは、
自分自身の身体に負担をかけるだけではなく、
救急隊、救急外来にも迷惑がかかります。

その上、医療保険での治療を受けることがほとんどなので、
アルコールを飲んでいない、他の人たちが積み立てている保険金を
治療のために使っているのです。


医療保険は、本来、病気になって仕事ができなくなった時の治療費を、
元気な時に、また、元気な人たちが負担し、助け合う、という共済の仕組みです。

その、医療保険で積み立てている治療費を、
病気ではなく、自分の不注意で起こしたアルコール中毒のために使われる、
というのは、憤りすら感じます。

自分でしたことの責任は、自分で取るように、
アルコール中毒の治療費は自費にするべきではないか、
と、夜中にアルコール中毒の患者さんを診るたびに思います。


あなたが積み立てている保険金、
隣の人が飲んだお酒の後始末に使われても、許せますか?
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by fkymhts | 2007-09-09 21:34 | 医者と患者さん

White lie

 Whiteは しろ
lie は うそ


時には、「僕はこの瞳で嘘をつく。」ことが必要になります。
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真っ赤なうそ  ではなく、
白いうそ  です。

相手を傷つけないようにするためにつく うそ。


患者さんと、そのご家族と関わることが多いと、
どうしても、本当のことだけでは、すべてを解決することができません。


病名、
予後(あと、どれくらい生きることができるか)、
検査や手術の危険性、
など。


患者さんご本人のこと、ではあるのですが、
患者さんご本人にお話すべきかどうか、迷うことがよくあります。


本当のことをお話しするかどうか、
本当のことをご本人が知りたいかどうか、

その患者さんのことを個人的に知らない医者としては、
ご家族にまず、お尋ねすることが多いです。


以前より、
がんの告知が一般的になってきて、
自己決定権が重視されるようになってきています。



自分のことは自分で決める。

それはそれで、もちろん大切なことなのですが、

自分のことでも自分で決めたくない、という選択肢もあっていいと思うのです。



知る権利、があるのと同じように、

知りたくない権利、知ることを拒否する権利もあってもいいでしょう。



患者さんの来し方(こしかた)を知っているご家族に、

その患者さんの人生観、死生観をお尋ねした上で、

ご本人に病気の治療についてご相談する。



その中で、

White lie は、なくすことができないもの、だと思うのです。



真っ赤なうそ、はいけませんが、

思いやりから出る 白いうそ。



打算や利己から離れた、

真っ白な心からでる、うそ なのでしょう。
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by fkymhts | 2007-08-29 22:01 | 医者と患者さん

最期に、なにを、望みますか

 あなたが、

僕に、最期に手を握っていてほしい、

と、望まれるのでしたら、

あなたのそばにいましょう。


今日は、最期を迎える方へのメッセージです。クリックしていただけると、うれしいです。
 
 でも、

あなたが、

愛するご家族に手を握ってもらって、

最期を迎えられたいのなら、

僕は、そとから、そっと見守りましょう。

 
 これまでに過ごしてこられた人生の中で

かけがえのない時間があったのと同じように、

最期も、かけがえのない時間であってほしいのです。


 あなたにとって。

そして、あなたの愛するご家族にとって。

 
 最期を、

やすらかなこころで迎えていただきたい。

 
 それが、

僕の唯一の望みです。


 そして、

あなたが最期に手を握る相手として僕をリクエストされない限り、

医師としての僕は、

あなたとご家族のかけがえのない時間を邪魔しないよう、

そっと、そとで見守っています。


かならず、見守っていますから、

安心して、ご家族の方との時間を過ごしてくださいね。


そして、

ご家族との時間を妨げないよう、

心電図の波やアラームは、

気にならないところにおいておきます。


ご家族に、

あなたを、

あなただけを

見ていて欲しいのです。


最期は、

心電図が直線になった時に来るのではありません。


最期を迎えた時に、

心電図が直線になるだけなんです。


ご家族には、

心電図の波の形ではなく、

あなただけを

見ていて欲しいのです。


心電図は、医師に任せておいて、

あなたに全神経を集中し、

すべての愛情、愛惜を

注いで欲しいのです。



最期に、あなたが望まれるものが、

やすらかなこころをもたらしますように。
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by fkymhts | 2007-08-11 23:21 | 医者と患者さん

抗がん剤が使えなくなったら…

癌の治療というと、

手術、
放射線治療、
抗がん剤治療

が、主なものとしてあげられています。


今日は、まじめな、がんのお話です。クリックしていただけると、うれしいです。


消化器外科を専門としている立場からは、
手術、に力を入れているのですが、
残念ながら、手術だけでは不十分で、
手術が出来ないがん、
手術をすることによって元気な時間を長くすることが出来ないがん があります。

また、手術だけでなく、
そのほかの放射線治療、抗がん剤治療を
手術前、手術後に組み合わせる治療が一般的になってきています。

これらの治療で、すべてのがんが無くなればいいのですが、
残念ながら、
がんよりも、患者さんの体力の方が治療に耐えられなくなることがあります。


抗がん剤は、
がん細胞だけでなく、患者さんの正常な細胞にも大きなダメージを与えます。

そして、
治療の効果よりも、副作用のほうが大きいと考えられると、
それ以上の抗がん剤治療を続けることが出来なくなります。

抗がん剤が使えなくなったら…

あとは、待つしかないのでしょうか…。


まだ、他の治療がありますが、これまでの3つの治療と比べるとあまり一般的ではありません。


他の治療として、僕が知識として持っているものとしては、
免疫療法
漢方薬治療
が、あります。

また、抗がん剤と比較して開発されているものに、モノクローナル抗体があります。

モノクローナル抗体は、ここ数年で日本でも急速に広まってくることが予想されます。
また、別の機会に、お話しすることとして、
今回は、免疫療法、漢方薬治療をご紹介します。

免疫療法は、簡単に言うと、本来ひとの体の中にある免疫を強めて、がんをやっつけよう、とする治療です。
こちらにわかりやすく書いてあります。

また、漢方薬治療としては、
十全大補湯という漢方薬ががんの転移を抑える、という発表があります。
すこし専門的になりますが、富山医科薬科大学和漢薬研究所の済木 育夫先生が
とても見やすくまとめられた発表がありますので、
こちらをご覧ください


抗がん剤が使えなくなったら…

もう、打つ手が無いわけではありません。


しっかりと、自分の目で確かめて、

この治療だったら、受けてみよう、

という治療を見定めてください。


ただ、

残念ながら、こころない人たちが、
足元を見るかのように非常に高額で販売している健康食品などもありますので、

結果についての発表がしっかりと公表されているものを、
選んでくださいね。
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by fkymhts | 2007-08-10 00:05 | 医者と患者さん

病ではなく、人を。

「主治医をさせていただきます、ふくやま です。」

そう言った瞬間から、すべての関係が始まります。


今日は、ちょっと、どろくさいお話です。クリックしていただけると、うれしいです。

その人が病院を訪れた原因である病気を取り除くだけでなく、

その人の健康すべてに、責任を感じるようになります。


せっかく癌の手術をしても、

高血圧や高脂血症があったら、脳梗塞や心筋梗塞で寿命を縮める危険性が高くなる。

じゃあ、手術の後、生活習慣を見直したり、それでも治らなければ薬で治療しよう。

癌の手術は、その人がよりよく生きるための治療の一部なのだから。


まち医者、として、個人病院で患者さんと関わっていると、

患者さんは、病気に関わらず、相談を持ちかけてこられます。


こちらも、病気に関わらず、とりあえず、相談に乗ります。

もちろん、専門外のことは、良く分かりません。

でも、少なくとも、医療については、患者さんより知っていることが多くあります。


自分の専門外なら、専門の先生に相談するにはどうしたらいいか。

それまでの自分と患者さんの関わりの中から、どのような治療がその患者さんに良さそうか。


医療でも専門分化が進んでいて、

医療訴訟が増えている現状では、

専門以外の診療については腰が引けがちになっているのが世間の風潮です。


でも、

人を助けるために、医者になったのなら、

何をしてあげれば、その人が助かるのか。


自分の専門の病気だけを診て、あとは見ない、ではなく、

少なくとも、

どうしたら良いのか、どこに行って診てもらったらよいのか、

どうしたら、本当に、その人の助けになるのか。


病を治すだけではなく、人を助けたい。


消化器外科医である前に、外科医でありたい。

そして、外科医である前に、医師でありたい。


どろくさいかもしれませんが、

それが、まち医者としての、僕の志です。
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by fkymhts | 2007-08-08 21:53 | 医者と患者さん