譜久山仁 の 第3診察室

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おしりあい

痔の患者さんが、お薬だけでよくなって、治療を一旦終わりにしました。

他の先生に、「手術をしないといけない」と言われて、第3診察室にこられたのですが、
痔の手術が必要な状態でなく、まずはお薬の治療をすることになっていました。

痔の手術が必要なときって、

1.痛いとき
2.血が出るとき
3.痔が出てきて、気になるとき

で、お薬の治療では治らないとき、と患者さんには説明しています。

お薬を使い始めると一旦良くなりますが、お薬をやめると悪くなる、ということが多く、
いつお薬をやめるかが問題となります。

症状が良くなった時点で、
「もうそろそろ、お薬なしで大丈夫だと思いますよ。」
と説明をして、患者さんが納得されれば、治療終了としています。

痔は、人が二本足歩行をするようになったことによる合併症だ、と言われています。
100%完治することが難しい病気だけに、しっかりと痔が起こる原因、治療について
患者さんに理解してもらい、セルフケアしてもらう必要があります。

第3診察室には、若い女性の方が恥ずかしそうにこられたり、
お年寄りが「こんな汚いところをみてもらってもうしわけない」と言ってこられたりします。
なかには、長いあいだ我慢されていて、とても立派な痔をもっておられる大痔主さんもこられます。

どうぞ、どうぞ、恥ずかしがらず、ご遠慮なさらず、いらしてください。

何かの縁での、おしりあい、ですので。
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by fkymhts | 2005-03-31 06:46 | 病気のこばなし

みかえり

友人が、夜を徹して助けてくれた。

そう、このブログを作っているPCを、そして、それを使っている僕を助けてくれたのだ。

PCなしでは、日常の仕事、プライベートが回らないくらい、重要なもの。

そのPCが、昨日の朝クラッシュし、途方にくれてしまった。

夜遅くに、普段は乗らない電車に乗って大阪からPCのレスキューに来てくれた友人。

普段は車移動のため、時間を気にすることがなかったが、PCのダメージは予想以上に大きく、終電の12時をあっさりと越えてしまった。

それでも、まだ、PCはなおらない。

0時を超えること、3時間。

「うごけっ!」との祈りとともに、PCは復活した。

ビジネスでもないのに、プライベートの、そして休息の時間を割いてまで
窮地を助けてくれた友人。

彼は、今朝、とてもさわやかに、電車出勤をしていった。

何のみかえりもなしに。
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by fkymhts | 2005-03-30 00:29 | 白衣を脱いで

医療は誰の為のもの

 退院を強く希望されている患者さんがおられます。

ご家族から、「自分で動くことのできない状態で、家に帰るなんて無理です。先生から入院を続けるように説得してください。」との、お願いを受け、病室に向かいました。

「Aさん、おうちで過ごせそうですか?」 と、のっけから聞いてみました。

「いや、まだしんどいんやけど、ずっと入院しとると動けんようになるからな。
とりあえず、家に帰りたいんや。」

―Aさんは、入院中リハビリテーションをしているのですが…。

「じゃあ、どのくらい歩けるか、ちょっと見せてもらえますか。
ご家族の方も、Aさんが歩けなかったら、心配でしょうから。」

Aさんは、何とかベッドから自分だけの力で起き上がり、
ベッド柵を頼りに立ち上がり、杖を頼りに歩き始めました。

病室の入り口まで約5mの往復。
その間、よろけながら、何とかベッドまで戻ったAさん。

息が上がってしまっています。

「Aさん、今の状態じゃあ、ちょっと、おうちで過ごすのはしんどいんじゃないですか?」

「いや、少しずつ家で練習するから、何とか動けるようになる。」
と、どうしても退院したいAさん。

ご家族は、後ろで、しきりと入院した方がいい、とAさんに言い続けています。

「Aさん、退院されたいのでしたら、勿論、帰っていただいても結構です。
ただ、お一人で動ける状態ではないので、ご家族の方のご協力が必要だと思います。
ご家族の方が納得いく状態で、帰ったほうがいいと思いますよ。」

結局、Aさんの退院希望とご家族の心配の両方を解決する為に、外泊をしていただくことになりました。

医療の場で、患者さんをめぐっていろんな人の思惑が交錯します。
残念ながら、全員の思惑、利害は必ずしも一致しません。

そのときに、どうすればよいのか。

医者は、自分の良いと思う医療を進めていけばよいのか?
患者さんの希望だけをかなえればよいのか?
家族の希望を優先すればよいのか?

シンプルに、もっと、シンプルに。
医療は、患者さんのためのもの、なんです。
そして、患者さんはご家族など周りの人に囲まれて、生活しているのです。

患者さんに対して、提供できるだけの情報を提供して、
あとは、患者さん自身に、周りの人と相談して判断してもらえればよい。

必要ならば、調整役を務めないといけないけれども、
基本的には患者さん自身の想いを最優先したいと思っています。
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by fkymhts | 2005-03-30 00:25 | 診察室のひとりごと

キズの治療は、わかりやすい

原理原則に立ち返れ! by 理系男 へのトラックバックです。

 キズの治療って、乾かさない、消毒しない、異物を取り除く、というのが、原則です。
そして、その原則の根本にあるのは、自分の体との対話です。

第3診察室に来られる患者さんには、キズの治療(閉鎖療法)についての説明を十分にした上で、その方が治療法を理解されていれば、病院に来られずにご自分で治療していただいていいですよ、と言っています。

キズが治ることについては患者さん自身がもっとも関心を持っていて、そして、なによりも医者ができるのは患者さん自身の体が治るのをお手伝いするだけ、だからです。

キズの治療には、とくに難しい考えは必要ありません。

知っておいてほしいことは、
1:キズが治るのは細胞培養と同じ→ だから、キズを乾かさない
2:人の体には常在菌といって本来無害な菌が住んでいて、その菌を消毒液で殺してしまうと、有害な菌が発生してしまう。また、消毒液は、細菌を殺す作用があるが、人の細胞は細菌よりも消毒液によるダメージを受けやすい → だから、消毒しない。
3:細菌がいるだけでは化膿、感染が起こることはまれだが、感染源となるような異物があると、感染は容易に起こる → だから、異物を取り除く。

という、3原則だけです。

この原則を押さえると、自分の体との対話ができます。

でも、自分の体が話していることがわからないときは、医者という通訳に聞いてください。
あくまで、話をするのは、自分。 
医者は、通訳であって、お手伝いです。
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by fkymhts | 2005-03-29 01:55 | キズの手当て

良い病院って

VOL4. 日本の病院って不思議?・・・(Written by heshiki) に、トラックバックです。

良い病院に求められるのは、なんでしょう?

良い病院の条件としては、いろいろあるでしょうが、何でも治療ができる名医と環境を揃えるのは残念ながら困難なこと。

名医になれなくてもいい(なりたいのは、山々ですが‥)、良医になりたい。

名病院になれなくてもいい、患者さんがかかりたいと思う、良い病院にしたい。

まずはできることから。

自分が患者になった時に、かかりたいと思う病院にしたい。

しんどい体を何とか病院に運んだら、とりあえず、早く診てほしい。
もし、自分の前に患者さんがたくさんいるのなら、とりあえず、楽にさせてほしい。

譜久山病院が打ち出している、待ち時間20分以内、という約束は、なかなか守れないこともありますが、長くお待たせした患者さんに診察室に入っていただくときは、申し訳ないという気持ちでいっぱいです。

気持ちだけでなく、本当に早く診察できる体制にしていきたいです。
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by fkymhts | 2005-03-29 01:25 | 診察室のひとりごと

医者が役に立たない病気

朝、いつものようにパソコンを立ち上げようとすると‥起きない、というか、一旦は起きるのですがその後、またすぐ眠ってしまうのです。

おーい、起きぐずってるんじゃないよ‥。

と、声をかけても、ゆさぶっても、再起動をかけても、まったくダメ。

そのうち、本当に起きない、ことがわかり、血の気がサーッと引いてきました。

というのも、入院患者さんのサマリや、紹介状、クリニカルパス、治療指針のソフトなどなど、パソコンなしでは、できない仕事がたくさんあるのです。

これは、マズイ‥。 パソコンが病気になってしまった。

外科医には、まったく手がつけられない領域なので、迷わず他科に診察をお願い(中学校の時からの同期に泣きつき)をしました。

今日の今日、にもかかわらず、彼は会社の送別会の後、21時を過ぎてから駆けつけてくれました。
そして、僕にはわからない難解な言語を発しながら、パソコンの診察をしてくれています。

餅は餅屋、ということで、コンピューターを生業としている彼に治療を一任し、経過を見ているところです。

終電もなくなってしまうほど、遅い時間になってまでもパソコンを診てくれている友人に心より感謝。
持つべきものは友、です。
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by fkymhts | 2005-03-29 00:49 | 白衣を脱いで

かつめし、初めて食べてきました。

加古川名物、かつめしを初体験。

友人から、「かつめしほどうまい食べ物はないんや。」と言われていただけに、とても大きな期待を持って、おススメのお店へ。

感想は…。
とても、おいしかったですね。
ビーフカツがご飯の上にのっていて、その上にデュミグラスソースがかかっているのですが、これまでに食べていそうで味わったことがない味でした。

ふと、名古屋名物、味噌カツを思い出しました。

それにしても、明石から20kmほどしか離れていない加古川で、まったく知らない食べ物が局所的に大人気がある、ということがとても不思議でした。

でも、なぜ、加古川でかつめし、なんだろう。
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by fkymhts | 2005-03-27 19:34 | 白衣を脱いで

夏井 睦先生 講演会 : 新しい創傷治療

 3月26日、譜久山病院デイケア棟にて、夏井先生の講演会を開催しました。
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病院スタッフと病院外からこられた方、併せて120名の聴衆で、会場内は熱気に溢れていました。また、神戸新聞社からの取材もありました。

座長の冨岡正雄先生(兵庫県災害医療センター  救急部副部長)からスリランカでの大津波のときの国際緊急援助隊医療チームのお話の後、夏井先生の講演が始まりました。

消毒しない、ガーゼを使わない治療について、なぜ消毒が良くないのか、ガーゼを使うと悪いのかを、医療関係者以外の方にもわかりやすく、たとえ話を巧みに入れながらレクチャーされました。

講演の後も質問が絶えることなく、時間の関係で人数を区切らないといけないくらいでした。
質問できなかった皆様、申し訳ありません。
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(写真の一番左は冨岡先生)

病院スタッフと患者さんの閉鎖療法についての理解が深まり、「痛くなく、早く、きれいに治る」治療がより一層、浸透しそうです。
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by fkymhts | 2005-03-27 04:37 | イベントのおしらせ

論より証拠

足の甲が化膿して入院しておられる患者さんが、抗生剤の点滴とナイロン糸ドレナージで少しずつよくなってきました。
そして、その方が、消毒をしない、ガーゼを当てない治療を理解してくださるようになりました。

これまでの、消毒をして、ガーゼを当てる、という治療をされてきた患者さんだったので、入院された当初はイソジンで消毒しないことがとても不安だったようです。

消毒のメリットとデメリット、ガーゼのメリットとデメリットをお話すると、
入院されてからキズがよくなっていることであたらしい治療を受け入れてくださったようです。

これまでの慣習的な治療に捉われるのではなく、実際にご自身の身体が治ってきていることが何よりもの証拠、ですね。
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by fkymhts | 2005-03-25 22:54 | キズの手当て

高橋裕子先生 禁煙講演会

3月23日に、高橋裕子先生の禁煙講演会がありました。
今回で、譜久山病院では4回目の講演会です。
いつも、おだやかな、それでいて説得力のある語り口でお話されるのを楽しみにしています。


今回の講演会で印象に残ったのは、こどもの禁煙について

高橋先生の外来には、こども(小学生!から高校生まで)がたくさん通っているそうです。
こどもが一旦タバコを吸い出すと、おとなより禁煙するのは難しいそうです。
そのため、こどもの場合は、「まず、吸い始めないこと」が大事。

こどもがタバコを吸うのは、おとなの見よう見まねで始まることがほとんどです。
そこで、「吸い始めない」ためには、大人がタバコをやめることが一番、と言われます。

おとながタバコを吸っているのをみて、こどもがタバコを吸い、そのうちにやめられなくなって、そのこどもが大人になって、それを見たその子供がまたタバコを吸って…

これをとめる為に、「世代の悪循環を断ち切る」ことが重要、と高橋先生はおっしゃります。

タバコをやめるのは、自分一人の為だけでなく、自分にとってかえがえのない大切な家族を守るためでもあります。

その為に、
ニコチンパッチを使って、ニコチン切れの苦しみを感じずに、
あきらめない、がんばらない、楽しい禁煙 をしましょう。
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譜久山病院でも、禁煙支援をしています。
ご興味のある方は、どうぞ、病院窓口まで。
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by fkymhts | 2005-03-25 00:09 | イベントのおしらせ