譜久山仁 の 第3診察室

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バランス

 とてもきれいなブログを見ました。
ある日の夕暮 「天秤」
この方のブログは、すばらしい写真と心にしみいる文章でできています。

強いばかりではなくて
弱くなれる強さ

なるほどな。

相田みつをさんの

セトモノとセトモノと
ぶつかりッこすると
すぐこわれちゃう
どっちか
やわらかければ
だいじょうぶ
やわらかいこころを
もちましょう


という詩を思い出しました。

もっとも、この詩は、

そういうわたしは
いつもセトモノ


と、オチまでついているのですが…。
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by fkymhts | 2005-04-29 07:20 | 白衣を脱いで

2度のやけど

やけどにラップ、実践編 そのまた後から、右のお尻のやけどの治療経過です。
ワセリン+ラップの治療を始めて3日目。
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治療開始後、16日目。
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ちなみに、16日目の全体の写真は、トラックバック元にあります。

2度のやけどは、ワセリン、プラスチベース+ラップで16日で完全に治りました。
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by fkymhts | 2005-04-28 22:52 | キズの手当て

褥創対策委員会打ち上げ

 平成16年度の褥創対策委員会の打ち上げをしました。
今年度は、
褥創の治療を原則としてラップ療法に統一し、その結果褥創の治りかたが非常によくなったこと。
褥創の治療経過を写真入りのデータベースとして作成でき、あとで見返すことができるようになったこと。
が、成果として挙げられました。

来年度は、
DESIGN分類に変わる新しい褥創の評価方法をつくること
ラップ療法の在宅看護、介護分野へ広めること
を目標としています。

6月4日には、ラップ療法(開放性ウェットドレッシング療法 Open Wet-dressing Therapy (OWT).というそうですが‥)を提唱されている鳥谷部先生をお招きして、ご講演いただきます。

6月4日、17:30からで、譜久山病院通所リハビリ棟で開催する予定です。
一般の方のご参加も歓迎いたしますので、右下コメント欄までご記入いただくか、
fkymhts@yahoo.co.jpまでお名前、ご連絡先をお知らせください。
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by fkymhts | 2005-04-28 00:05 | キズの手当て

priority setting = 今、何をすべきか (後)

priority(プライオリティ)とは、優先すること[権利],もっと重要であること (プログレッシブ英和中辞典第3版 JapanKnowledgeより) です。

priority settingで、優先順位を決めること、ですが、実際には1番目のことができた後に2番目のことができるとは限りません。

2番目のことができないことも考えて、「今、何をすべきか」をしっかりと自分の意志で決める。

治療効果を期待してたくさんの薬をのむことよりも、余命を楽しく生きることにpriorityをおいたこの患者さん。

今、何をすべきか。
そのことによって、何ができなくなるか。

この選択をしっかりと自分の意思で決められたので、主治医としては、患者さんの決定を最大限に尊重しながら治療を進めていきます。


主治医ができるのは、患者さんが病気を治す、もしくは、病気とつきあうのをお手伝いすることです。
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by fkymhts | 2005-04-27 00:29 | 診察室のひとりごと

priority setting = 今、何をすべきか (前)

 80歳の患者さんが第3診察室に来られました。
高血圧と喘息、痛風、足のむくみを訴えておられます。
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もらっているお薬は10種類をこえています。

「どれだけのんでいますか?」
と聞くと、
「えへへ。」
というお返事が返ってきました。
「こんなにのむと、ご飯が食べられんようになるから、のんどらん。」


「何がお困りですか?」
と聞くと、
「息がぜいぜい言うのと、足がむくむのがしんどい。」
「おとこの平均寿命をこえたから、後は、しんどくないように楽しく生きられたら、それでええ。」
とのこと。

「本当は痛風のお薬も必要ですが、まずは一番しんどい症状の治療からはじめましょうか。
お薬をきちんと飲めたほうが病気そのものにとってはいいのですが、それでご飯が食べられなくなったら楽しく生きられないでしょうから、まず必要なお薬からはじめましょう。」


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by fkymhts | 2005-04-26 22:28 | 診察室のひとりごと

やけどにラップ、実践編 そのまた後

やけどにラップ、実践編 その後 の、治療経過です。

治療開始
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治療9日目
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治療16日目
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今日、患者さんは退院されました。






これだけ広範囲の熱傷を、ワセリン、プラスチベース+ラップで治療したのは今回が初めてでした。

この経過を見ると、熱傷治療って、
もっと痛くなく、
もっと早く、
もっときれいに治るようにできる、

と思いました。
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by fkymhts | 2005-04-25 23:58 | キズの手当て

 退院する患者さんから、手をしっかりと握ってもらって、
「ありがとう」といわれる時、このうえない幸せを感じます。

でも、一方で、握っている患者さんの手が、力なくなってしまうこともあります。

また、手を握ろうと差し出しても、振り払われてしまうこともあります。

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自分の手が、患者さんにとって、心地よいものであるように。

患者さんの手との温度の差、握る力の差がないように。


そして、願わくば、手を携えて、一緒に前に進めますように。
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by fkymhts | 2005-04-24 10:59 | 医者と患者さん

empowerについて(続)

empower = 権能[権力, 権利]を与えるについて、加藤眞三先生からメッセージをいただきました。

empowermentの、「励ます」とか「誉めたり称えたりして、その人が自信を持って独立できるように支持すること」と訳されています。
患者さんの中にあるものを引っ張り出す、ということ。

治療の主体はあくまでも患者さんであり、医療者はその治療の手伝いをする、という第3診察室の考え方と相通ずるように思えました。
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by fkymhts | 2005-04-24 00:32 | 医者と患者さん

universal = ユニバーサル

ナミねぇ こと 竹中ナミさんのお話を聞く機会がありました。
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ナミねぇは、プロップステーションという障害者に対する就労支援組織を創設し、ユニバーサルな社会の実現を目指しています。

ユニバーサル、とは、すべての人に自分のもてる力を発揮できるチャンスがあり、力を発揮することによりお互い支えあっている状態、のことだそうです。

日本の福祉の考え方は、障害者を健常者が支える、というものであり、障害者は支えられる側と位置づけられています。
そして、その根本には、障害者は健常者ならできることができない、気の毒な人、という同情があります。

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でも、ちょっと待って。

健常者といっても、生きるのに必要なことをすべて自分でまかなっているわけではないでしょう。

服を着るのに、糸から紡いで生地を作って、デザインした服を着ている人。
ご飯を食べるのに、米を稲から育てて、稲刈りして、脱穀して食べている人。
魚を食べるのに、釣竿をかついで海に行って、魚を釣ってきて食べている人。

こういう人は、とても少ないでしょうし、一つ一つのこと単独ではしていても、すべてのことをしている人は、おそらくいないでしょう。

文明、文化が進んでくると、生きるのに必要なことをすべて自分でまかなうことができなくても、生きることはできるのです。

そういう、大きな観点から考えると、健常者ができて、障害者ができないことって、実はあまり大きな問題ではないんじゃないかな。

本当にしなければいけないことは、障害者を支えられる側、と位置づけるのではなく、障害者が持っている能力を最大限発揮できる環境を作ること。

そして、障害者が力を発揮することによって、社会参加し、それによって障害の有無に関わらず、お互いが支えあえる状態ができること。

それが、本当のユニバーサルな社会、ということが、ナミねぇのお話でよくわかりました。
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by fkymhts | 2005-04-23 23:55 | 白衣を脱いで

empower = 権能[権力, 権利]を与える

患者さんをempowerする と言いました。

empower  ..する権能[権力, 権利]を与える〈しばしば受け身で〉.
新グローバル英和辞典(三省堂)より とあります。

つまり、患者さんが自己決定するのに必要な情報を提供し、それと同時に自己決定の権能を与える、ということです。

卑近な例になりますが、
あまりおいしくないレストランだけれども近くのお店を知らないからそこに入る、というのではなく、近場の飲食店情報をお知らせした上で、おいしいレストランだからこそ、選んで入ってもらえる。

そういう病院が、文字通り、選ばれる病院、なのでしょう。

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選ばれる病院、選ばれる医師を目指して。
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by fkymhts | 2005-04-21 23:47 | 診察室のひとりごと