譜久山仁 の 第3診察室

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らぱあっぺ

 らぱあっぺ、と聞いて、
どこかで聞いたことがある、と思ったあなた。

そう、

スルドイ

ですね。
らぱたんの仲間、なんです。

正確には、
ラパロスコピックアッペンデクトミー
laparoacopic appendectomy

といって、

腹腔鏡下虫垂切除術

つまり、

従来のおなかを切る手術ではなく、
腹腔鏡を使って虫垂をとる手術(いわゆるモーチョーの手術)なんです。


モーチョーの手術って、
腰の麻酔で、すぐに終わる手術じゃないの?

と思ったあなた。


実は、

大変なモーチョーの手術もあるんです。


やせていて、
はじめておなかが痛くなった、いわゆる初発のモーチョーの場合。

できるだけ小さいキズで(大体2-3cm前後)、
あとが残りにくいような皮膚の縫い方をして、
脊椎麻酔(腰の麻酔)、開腹手術を行います。


でも、
しっかりとした体格で、
(もっとストレートにいうと、皮下脂肪が多くて)
虫垂が奥深くもぐりこんでいて、
炎症が強いモーチョーの場合、

開腹手術では、大変なんです。


このような場合は、開腹手術では2-3cmのキズで手術をすることは到底不可能で、
場合によっては10cm近くおなかを開けないといけなくなります。

腹腔鏡下手術、つまり、
らぱあっぺだと、
カメラ(腹腔鏡)を入れる為に3cmのキズが1ヶ所。
その他、鉗子(かんし:手術で使うマジックハンドみたいな器具のこと)を入れる為に1-2cmのキズが2-3ヶ所。
と、小さいキズで手術ができるんです。

その上、
開腹だと術者しかおなかの中が見えないのが、
腹腔鏡だと手術室にいる全員がおなかの中を見ることができ、
安全に手術ができます。

また、
手術後の痛みははるかに小さく、早い時期に動くことができるので、
入院期間を短くすることもできます。


まだ、モーチョーを持っていて、
胸に(おなかに?)手を当てて、思い当たることのあるあなた。


手術をするなら、

らぱあっぺ

ですよ。
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by fkymhts | 2007-03-29 22:43 | 手術室で

タミフルに関する緊急情報

 インフルエンザの治療薬、タミフルについての緊急のおしらせです。

タミフルを飲んだ後に、精神的に不安定になったり、飛び降りたりする、という報告が相次いでありました。
これまでの厚生労働省の発表では、
タミフルについて「現段階で安全性に重大な懸念があるとは考えていない」、
と言うものでした。

外来でも、患者さんからタミフルの安全性についてご質問を受けることがありましたが、

厚生労働省によると明らかな危険性は認められていない ということ、
でも、 一時的に精神的な症状が出る人もある ということ。

それを踏まえて、
インフルエンザの発熱などの症状に対しては効果がありますが、
副作用の危険性も否定できないので、危険性を了承した上でお薬をお出ししますよ。
とお答えをしていました。

3月21日未明に、厚生労働省から緊急情報として、
添付文書の警告欄に「10歳以上の未成年の患者に、原則として使用を差し控えること」を書き加え、
医療関係者に緊急安全性情報を出して注意喚起するように
との発表がありました。

厚労省は、服用と異常行動の因果関係については否定的ですが、
これは、患者約2800人を対象にした調査の結果に基づいた見解であり、さらに1万人規模の調査を進めているとのことです。

今後、
10歳以上、以下に限らず、未成年者に対する処方は原則として行わない方が良いと考えますし、
成人でも十分な説明をした上で、自己責任の下に内服してもらうことが必要と考えています。
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by fkymhts | 2007-03-22 09:20 | 病気のこばなし

おりこうさん

 お子さんの顔の切りキズを縫わないといけないことが、よくあります。

 大人の手や足のキズと違って、

とっても神経を使うんです。

 何よりも、神経を研ぎ澄ませてすることは、

とにかく、泣かせない こと。

 泣いてしまうと、顔のキズだけに縫うところが動いてしまって、縫うのが非常に難しくなってしまいます。


 泣かせないようにするためには、

こわがらないように人形などで相手をしてまずリラックスしてもらうこと

痛くない麻酔をすること

お父さん、お母さんにそばにいてもらうこと

体をおさえつけないこと

が大切です。


 とはいえ、すべてのお子さんでうまくいくわけではなく、

診察室に入ってくる前から泣いているお子さんには、困ってしまうことがあります。


 お子さんがおりこうさんにしてくれて、

お父さん、お母さんがこちらを信頼してくれる時は、

とてもスムーズに、そして、きれいに縫うことができます。


 小さいお子さんの顔のキズ。

縫うときには、0.何ミリの単位で針をかける場所を決めないといけません。

一生を左右することのある治療だけに、真剣勝負です。


 、

今日のお子さんは、とてもおりこうさんで、きれいに縫うことができました。

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by fkymhts | 2007-03-18 22:20 | キズの手当て

がんの治療のネットワーク

 抗がん剤治療の病病連携(病院間の連携)の会に出席しました。


抗がん剤治療
は、長期間にわたって行うことが多い治療です。

そのため、抗がん剤治療を行う患者さんの数は、今後ますます増えていく傾向にあり、
がんを専門的に診療している病院(がん診療拠点病院)だけでは
すべてのがん患者さんに対応することが困難になっています。

そこで、都道府県単位のがん対策でも、がん診療拠点病院とそれ以外の病院で連携をして、がん患者さんが広く、安全に抗癌剤治療を受けられるような方針が立てられています。

そのために必要なのが、地域連携パスです。

地域連携パスは、
患者さんに対する治療開始から終了までの全体的な治療計画で、
その特徴としては、特定の医療機関の計画ではなく、
地域内にある各医療機関が共有しているということにあります。

つまり、地域連携パスにしたがって治療を行っている医療機関では、
どこの医療機関でもおなじ治療を提供することになり、
患者さんとしては、遠くの病院に行かなくても、
近くの医療機関で同じ治療を受けることができるのです。

抗がん剤治療は、長期間にわたって行うことが多い治療です。
それだからこそ、治療を長期間にわたって受けることができる体制作りが必要になります。

ちょうど、この春から、がん対策基本法が施行されます。

まだ、始まったばかりの

抗がん剤治療
病病連携の会ですが、
この地域のがん患者さんの治療をサポートできますよう、
連携を深め、広げていきます。
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by fkymhts | 2007-03-16 23:49 | 白衣を脱いで

胃癌手術後の抗癌剤治療

抗癌剤の治療は、

化学療法
といわれます。

その中でも、手術のあとに行う化学療法のことを、
術後化学療法、
英語で、アジュバントケモテラピー adjuvant chemotherapy といいます。

胃癌の術後化学療法に、TS-1というお薬が有効であることが、報告されました。

手術後にTS-1を内服したグループは、
内服しないグループと比べて死亡するリスクが32%減少することが認められました。

また、手術後3年の生存率は、
手術だけを行ったグループでは、70.1%。
それに対して、TS-1を内服したグループでは80.5%と、
10%を超える生存率の改善が認められました。

気になる副作用ですが、
グレード3以上とよばれる重篤な副作用は低頻度(食欲不振の6%が最大)
といわれており、
副作用は少なく、効果が大きい治療といえるでしょう。

学生の頃、胃癌には抗癌剤は効かない、というようなことを
先輩の先生から聞いていただけに、化学療法の進歩の速さを実感します。

すこしでも多くの胃癌患者さんに朗報となりますように。

今日は、

胃癌の手術後の抗癌剤治療のおはなし
でした
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by fkymhts | 2007-03-08 09:48 | 病気のこばなし

3周年

 私事ですが。

今日は、結婚記念日でした。



3周年。


25周年の銀婚式、50周年の金婚式は有名ですが、

3周年は 菓婚式 Candy Wedding というそうです。


結婚記念日の夕食には、ウェディングキャンドルに火を灯すのが、

この3年間の習慣となってきました。


電灯の明かりをちょっと落とすと、

ロウソクの明るさ、あたたかさをほのかに感じられます。


ほっとした気分で迎えた、


3周年でした。

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by fkymhts | 2007-03-06 22:38 | 白衣を脱いで

手術 と 舞台

 外科医です。

というと、

ずっと手術をしているんですか?

というお返事が返ってくることがあります。
 


外科=手術をする医者。


というのは、正しいのですが、

実は、手術よりも、その前後の方が、

はるかに多くの時間を占めているんです。


 まわりの人からはその部分にしかスポットライトが当たらないけれども、

じつは、そのほかの部分がもっと大きいことって、

なにかに似てるな、と思いました。


 そうだ、

舞台だ。


 スポットライトは、舞台に立っている間、舞台の中心にしか当たりません。

でも、

その舞台にあがるまでの自分自身の努力。

舞台の脇を固めてくれる人たちの協力。

そして、舞台を作り上げてくれる裏方の人たちの支え。

その、どれかひとつでも欠けてしまうと、

舞台は成り立ちません。


 手術でスポットライトが当たるのは、オペレーター。

自己研鑽を積んで、

手術で助手を務めてくださる先生、看護師さんの協力に感謝し、

手術の準備を整えてくれる病院スタッフ、そして、医療機器メーカーの方々の支えを忘れないように、

 ひとつの手術に取り組んでいきます。


 なによりも、

その舞台を見に来る人にとってはたった1回の舞台であるように、

患者さんにとってはたった1回の、

そして、


やりなおしのない1回限りの手術ですから。

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by fkymhts | 2007-03-03 20:30 | 診察室のひとりごと

ひな祭り

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譜久山病院の待合室で患者さんをお迎えするひな人形です。
今年は少しゆっくりの登場。
常連の患者さんに待ちわびられていました。
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by fkymhts | 2007-03-02 13:47