譜久山仁 の 第3診察室

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医療界の声

参議院議員選挙が終わって、一息ついて‥。

と、落ち着いておれる状態ではありません。


今日は、選挙後を見届けていくお話です。クリックしていただけると、うれしいです。


医療界の声を届けてもらえるように、期待されていた
「日本医師会に支えられた武見敬三副厚労相も落選」
との結果。

正直言って、びっくりしました。

日本医師会の推薦力が、弱かった、
つまり、日本医師会の医師に対する政治に関しての求心力が弱かったのでしょうか。

もしくは、
それぞれの医師が独自の考えを持って自分の代理として医療の声を国政に届けてくれる候補者を選んだのでしょうか。

どちらにしても、2007年参議院選挙においては、日本医師会のリーダーシップの元、医療界の声を一本にして国政に届けよう、というまとまりは見られなかったようです。

どんなに、今の医療に対して改善すべき点を挙げることができたとしても、
それを国政の場に届けることができる人が必要です。

医療の現場をもっとも変えたいはずの医師の集まりである日本医師会が、
総意として一人の候補者を国政の場に送り出すことができなかった、というのは、
組織としての力の弱さを感じます。

でも、暗い材料ばかりではありません。
大阪では内科医師32歳がトップ当選しています。
若い力と、医療の現場を身をもって実感しているという強さで、
医療界の声を国政に届けてくれることを期待しています。
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by fkymhts | 2007-07-31 23:44 | 白衣を脱いで

参議院議員選挙

 今日は、投票日。


今日は、もっともホットなお話です。クリックしていただけると、うれしいです。


ここ最近、どこに投票するかをずっと考えていましたが、
当日になっても考えがまとまらず、
午前中いっぱい考えて、ようやく結論が出ました。

政党のマニフェストやそれに対する論評を読んでいると、
政策として大きく外れているところはあまりなく、
全般的に、マニフェストどおりに本当にしてくれるんだったら、素晴らしい。
というものでした。

ただ、具体的にどうするか。
短期目標としてはどうやって達成するのか。
予算はどうするのか。

など、
絵に書いた餅になるんじゃないかな、
という不安はあります。

2006年の診療報酬の引き下げで、医療界は大打撃を受けています。
医療というのは、すべて診療報酬制度、といって非常に細かい価格表に基づいてこれをしたらナンボ、と値段が決まっています。
その診療報酬を適切に設定できる政治を、誰がリードできるか。

そして、医療界の声を誰が政界に届けるか。

そう考えると、医療界の事情をよく理解できていて、
必要なことを適切に伝えてくれる人に投票しよう。

所属している政党ももちろん大切ですが、
医療界が推薦できる個人に、政界での医療行政のリーダーシップを託そう。

そう、決めました。

投票は、済みました。

あとは、自分が投票した、
リーダーシップを託した候補の方の運動を
応援していく。

一人一人が、この国の行く末に、
自分の立場からでいいので、関心を持ち、
責任を持って投票すれば、

リーダーシップを託された方は、ベストを尽くしてくれると思います。

Take action to Be Better!

(よりよい社会を求めて、行動を起こしましょう!)
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by fkymhts | 2007-07-29 21:26 | 白衣を脱いで

往診

 今日は、2週間に1回の往診でした。

ご自宅へ伺うと、
「先生、お忙しい中、いつもありがとうございます。」
との言葉で迎えていただきました。

待ってくれている人がいる、というのは、医者冥利に尽きます。


今日は、ちょっと考えていただきたいお話です。クリックしていただけると、うれしいです。



「もう何も出来ないのに、そろそろお迎えが来てもええんやないか、と思って。」


「いえいえ、お元気で過ごされているだけでいいんですよ。
これまで十分なことをなさってきているんですから。」


その人の、今、だけを見ると、
確かに、何も出来ていない、と思われるのかもしれません。

でも、
その人の来し方に、たくさんの人とのかかわりがあり、
たくさんのことをして来られていると思うのです。

その人ががんばってこられたから、
その人に続く人たちがいる。

そうして、その人を中心に、人の輪、社会が作られてきているのだと
思うのです。

今、だけを見るのではなく、
その人の来し方を重んじること。

それが、年長者を敬うことであり、
そして、回りまわって、自分に返ってくることでもあります。


ご高齢の方が、望まれる場所で、生きいきと暮らすことが出来る地域。
そんな地域づくりを、医療面からサポートしていきたいです。
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by fkymhts | 2007-07-26 21:24 | 医者と患者さん

上を向いて

 一人の患者さんが、亡くなろうとしています。

その方のご家族に、

終末期医療についてのご相談をしました。


今日は、ちょっとずっしりとくるお話です。クリックしていただけると、うれしいです。

 終末期医療。

病気の治療を目的とせず、病状が悪くなったときに
もっと、具体的にいうと、
血圧が下がったり、呼吸が止まったり、心臓が止まったときに、
どの様な治療を希望されるか。

 入院直後、癌の終末期状態の患者さんには、終末期医療についてのお話をするのですが、
時間がたつにつれて、ご意見が変わることがあります。

 まだお元気だったときに「延命治療は希望しません。」と言われていても、
ご家族の死が実際に目の前に近づいてくると、ご意見が変わる。
これは、自然なことだと思いますし、
ご意見が変わっていないかどうかは必ずお尋ねするようにしています。

 そのご家族に、
「今晩中に、容態が悪くなって、亡くなられるかもしれません。」
と、お話しすると、

 上を向いて、
じっと、考え込まれました。
まるで、涙がこぼれないように。

 そして、
「先生、少し、お時間を頂いてよろしいですか。」

「どうぞ、どうぞ。」

 
 20分ほど、ご家族でお話をされたのでしょう。

「このまま、酸素マスクだけして下さい。

呼吸を助けるための管を入れたり、機械につないだりはしないでください。

父のそういう姿は見たくないですし、本人も希望しないと思います。」

 と、お返事をいただきました。


 その人にとって、

その人のご家族にとって、

どのような最期がふさわしいか。


 これは、医者が決められる問題ではありません。

そして、正しい答えも、ありません。


 じっと、上を向いて。

その患者さんが、どう希望されるか。

そして、ご家族として、どう希望されるか。

しっかりと考えられた、その答えが、

ただひとつの答えだと思います。
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by fkymhts | 2007-07-25 23:52 | 医者と患者さん

治療の値段

 救急車で交通事故にあった男の子が運ばれてきました。
男の子、といっても、まだ未成年というだけで、ハイティーンです。


今日は、ちょっと悲しくなってしまいました。クリックしていただけると、うれしいです。

 あちこちにすり傷があり、打ち身もあったので、
レントゲン検査をして、骨折がないことを確認。
すり傷の治療をしました。

 キズに泥が入っていたので、できるだけキレイに取り除き、
化膿する危険性があったので、
「化膿止めを出しておきましょうね。」
といったところ、
「お金がないので、薬はいいです。」
とのこと。

 そして、
それまでにした処置も、
「これって、お金かかるんですか?」

 唖然としてしまいました。

 医療は、もちろん算術であってはいけないけれども、
医療を受けるにはお金がかかります。

 救急車で運ばれてきた患者さんに対して、
「お金がかかりますが、治療を受けますか?」
などとたずねて治療を行うことは、考えられません。

 諸外国と比べると、はるかに低価格で、アクセスのよい日本の医療に、
麻痺してしまっているのでしょうか。

 グチは言いたくないですし、
プラスにならないことは口にしたくもありません。

 でも、
自分の身体に必要な医療を受けない、
もしくは、医療者に責任を持った治療をさせない、
のだったら、
病院に来ること自体が、間違っているように思えるのです。

 事故があると、すぐに救急車で病院に運んでもらえ、
待合室で待っている患者さんより優先的に診察を受けることができる。

これは、あくまで、緊急性が高い病状にのみ、許されることなのです。

善意の救急医療体制が、
その重みが理解できない人を助長することになってしまい、
かえって、あだになってしまう。

そんな、悲しいことを考えてしまいました。
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by fkymhts | 2007-07-24 22:52 | 医者と患者さん

ドクターコール

 しばらく、研修の為に、病院を留守にしていました。

リーダーシップについて、
世界各国から約70人、日本全国から約50人の人たちと一緒に研修を受けてきました。


今日は、とても貴重な経験についてのお話です。クリックしていただけると、うれしいです。

異国の地で、1週間。
体調を崩す人たちも出てきました。

(そういう僕も、異国ではありませんでしたが、風邪を引いてしまいました…)


なんとなく、体調が悪い人の情報が集まってきて、

耳に入ると、どうしても気になってしまって、様子を見に行って。

と、1週間で3人を診ることになりました。


病院を離れての診察。

検査も出来ませんし、薬も自分の手持分しかありません。

出来ることは、病院に行った方がいいか、行かなくて様子を見れるかの見きわめと、

手持ちの薬での対処、だけ。


最終的には、薬で何とか症状を抑えたり、病院で治療してもらったり、で

無事に皆さん帰国してもらえました。


今回、思ったことは、

医者は病院を離れたら哀しいほど微力であること。

それでも、医療者以外の人にとっては、頼りにされる存在であり、
精一杯その人のことを診ることによって非常に感謝されること。

です。


昨今の医療訴訟の報道を見ていると、

「触らぬ神に…」と、腰が引けてしまいそうになりますが、

やはり、困った人がいれば助けたい、というのが、医療者としての本能です。


「お医者さんいませんか?」

というドクターコールに対して、

人種や言葉が違っても、出来る限りのことをする。


症状が良くならないと、非常に悩んだり、気の毒になったりします。

それでも、不安になっている人と一緒に、その気持ちを共有し、
もてる限りの能力でその症状を改善できるように努める。

その結果、
"Thank you Doctor." と言ってもらえると、
心の底から、医療者であって良かった。
と思います。

Service to humanity is the best work of life.
という言葉があります。

人類への奉仕が、人生の中でもっともすばらしい仕事である。


医者が出来る人類への奉仕。


ドクターコールに、顔をうつむけてしまうことなく、

堂々と手を上げて、応えていこうと思います。
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by fkymhts | 2007-07-20 06:39 | 白衣を脱いで

がんの情報

 「癌です」

と言われると、頭の中が真っ白になってしまう。

何がなんだかわからなくなって、

その後の医者の説明が頭に残らない。

 そんなことが、よくある、と言われます。


今日は、そんな時にがんについての正しい情報を知ることができるホームページのお知らせです。
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 がんについて、わかりやすくまとめてあるホームページがありますが、

一般の方にわかりやすいのは

国立がんセンター がん対策情報センター のホームページ。

それぞれの臓器(食道、胃など)の説明から、診断、治療、予後までわかりやすく書いてあります。

 一般の方、医療関係者の方、などとわけて書いてありますので、

とても見やすいです。


 2015年には日本人の2人に1人ががんで死ぬ、といわれています。


ネット上で氾濫している情報の中から、

がん についての正しい情報を知って

早期発見、早期治療をしましょう。
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by fkymhts | 2007-07-09 00:12 | 病気のこばなし

フォロー

 自分のことじゃないのに、なんとなくフォローしてしまう、

って、ありませんか?


今日は、肩の力を抜いて、ちょこっと雑談です。
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EDの患者さんにお薬を出す際に、

「いや、ちょっと、最近、お体の調子が悪いらしくて、奥さんからのプレッシャーがあるみたいで…」

と、言い訳がましく

「正当な使用方法なんだよ」とフォローしてしまったり。


別に、自分のことではないんですが、

どうしても、患者さんには感情移入してしまうところがあって。


ああ、この人がこんな風に思われると、いやだな、

と、知らず知らずの内に、フォローしてしまうんです。


もっと、ドライにいけたら、さっぱりとしていいのかもしれませんが、

どうしても乾燥しがちなこの世の中、

すこしウェットなぐらいで、ちょうど良いのでは、

と、自分を納得させています。
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by fkymhts | 2007-07-08 22:34 | 医者と患者さん

おうちでできる、褥創(床ずれ)の処置 実践偏

 昨日は、 褥創の処置の大まかなことについておはなしをしましたが、


今日は、実際にどうしたらよいかをお話しますね。
クリックしていただけると、うれしいです。

 なお、今回使っている写真は、鳥谷部先生のご好意で頂いたスライドを一部改変したものです。
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 褥創の処置=難しい、と考えずに、

褥創に圧をかけない

褥創を乾かさない

褥創にくっつくもので処置をしない

ことを原則として、一番身近におられるご家族で処置をしてあげてください。


 なお、褥創が化膿してくる時は、

周りが赤くなったり、熱を持ったりします。

その時は、すぐに担当の医師にご相談してくださいね。
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by fkymhts | 2007-07-06 05:26 | キズの手当て

おうちでできる、褥創(床ずれ)の処置

 訪問看護ステーションとお近くの開業医の先生からのご依頼があって、
褥創処置のために、往診に行ってきました。


今日は、すぐに役立つ床ずれの治療のおはなしです。
クリックしていただけると、うれしいです。

 褥創と書いて、じょくそう、と読みます。

一般的には、床ずれ、と言われているもので、

体の姿勢を変えることが出来ない状態で、

同じ部分に圧(体重)がかかると、その部分の血のめぐりが悪くなり、

腐ってしまう、というのが、

褥創ができる理由です。


褥創の治療に必要なことは

まず、何よりも褥創の部分にかかる圧を減らしてあげること。

そして、褥創をかわかさないこと。

もうひとつ、褥創にくっつくもので処置をしないこと。

です。


ケガややけどなどの他のキズの処置と共通するところもありますが、

なによりも 圧を減らしてあげることが大切です。


それから、

他のキズと違うのは、

おしりに出来ることが多く、便で汚れてしまうことです。


キズが便で汚れてしまうなんて、

と、不安に思われるかもしれません。


褥創の治療では、基本的には、便で汚れてしまって化膿する心配はありません。


次回は、褥創の具体的な処置の仕方を

お知らせしますね。


なお、褥創については、

譜久山病院公開勉強会で、ご講演いただきました
鳥谷部先生の方法を病院全体で取り入れ、

褥創治療が目覚しく改善しています。
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by fkymhts | 2007-07-05 20:38 | キズの手当て