譜久山仁 の 第3診察室

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最後の当直

といっても、今年最後、です。


今日は当直について。年の瀬に肩の荷が下りました。
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当直の時間、
病院内の患者さん、
そして、地域の患者さんの診療が、
自分の肩にかかっていると思うと、
ずっしりと重いものを感じます。

当直を支えてくれる院内スタッフ、
譜久山病院では治療が出来ない患者さんを引き受けてくださる周辺の医療機関の方々、
そして、患者さんの搬送を快く引き受けてくださる救急隊の方々のおかげで、
この1年、当直の時間帯に事故を起こすことなく、
また、何人かの命のバトンを落とすことなく、適切な医療機関へ引き継ぐことが出来ました。

ずっしりと重い、
けれども、
医療の原点でもある、困っている人を助ける、ということからやりがいもある当直業務。

来年も、
自分の健康管理に留意しながら、
1月1日の最初の当直を迎えようと思います。
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by fkymhts | 2007-12-28 07:50 | 診察室のひとりごと

診療報酬、引き上げ。 向かい風はなくなりましたが‥。

 診療報酬が引き上げられます。
診療報酬(しんりょうほうしゅう)とは保険機関が医療機関に支払う報酬のこと。
詳しくはwikipediaの「診療報酬」をご参照ください。

 診療報酬改定は、ほぼ2年に1回行われていますが、薬価(薬代)を除いた本体部分が引き上げられるのは2000年度の改定以来、8年ぶりのことです。

 とはいえ、引き上げの幅は、0.38%。
日本医師会が必要としている5.7%には、到底及ばない数字です。


今日は医療を取り巻く財政ニュースについて。
今、もっともホットな話題です。
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 財源に限りがあるので、数字が異なるのは致し方ないのですが、
問題は、その数字の根拠。

 どうして0.38%で、 どうして5.7%なのか、
なのです。

 どうして5.7%を要求するのか、は、

具体的には、日本の医療機関は全体で「赤字」であり、07年の倒産は9月までで39件に上り、既に過去最高だった06年の30件を上回っていることから、「地域医療を支えるためのコスト」として9,600億円・約3.8%の引き上げを要求。また、国民のニーズが高まっていながら、ほとんど評価されていない「国民の安心を守るためのコスト」という観点から2,200億円・約0.9%アップさせる必要性を指摘している。さらに、日本の医療は医療従事者の〝ボランティア精神〟で持ちこたえてきたものの、現場は疲弊し、特定の診療科からの撤退も続出。優秀な人材や良質の医薬品・医療機器等が不可欠として「医療の質を確保するためのコスト」という視点から2,700億円・約1.1%の引き上げを求めている。

という根拠を挙げています。(キャリアブレインより引用)

また、日本医師会ニュースでも、
あるべき医療費の増額要求は国民の安全と安心のため

としたコメントをあげており、
度重なる医療費の抑制によって医療現場は疲弊しており,これ以上の抑制は医療の崩壊を招くと主張
しています。(日医ニュースより引用)

 一方、0.38%の根拠としては、

 与党幹部の一人は同日、「財源に余裕がない中での最大限の引き上げだ。0・35%や0・36%など、四捨五入して0・4%に近づける努力をしている」と語った。
YOMIURI ONLINEから引用)

 0.4%に近づける努力をしている、という、0.4%にしても、
その根拠は示されていません。

 もっとも、それ以前に、
財務省は0・1%の引き上げが上限と主張した
とされており、それよりはマシになっているのですが‥。
 
 国民の健康を守ることは、国にとって非常に優先されるべき問題であり、
財源に余裕がない、という理由ではなく、
十分な根拠に基づく数字で議論して頂きたいものです。

 
07年の倒産は9月までで39件に上り、既に過去最高だった06年の30件を上回っている
(前出のキャリアブレインより引用)現状です。
医療崩壊が進んで、すぐに行ける医療機関がなくなってからでは、手遅れです。

 病院を守り、地域を守る側としては、
診療報酬の引き下げという向かい風がなくなっただけでもプラスに考えて、
出来る限りのことをしていく覚悟です。

 ただ、
ギリギリの財源しか確保できないと、安かろうまずかろうになってしまい、
この国の医療をWHOが世界一と認めたレベルに保つことは、困難だと思います。
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by fkymhts | 2007-12-17 23:21 | 診察室のひとりごと

おたふく

お多福、とも書きます。

初めて知りましたが、

おかめ(お亀、阿亀)は鼻が低く頬が丸く張り出した女性の顔、あるいはその仮面。頬の張り出した形が瓶に似ているから名付けられたとされる。おたふく(お多福)ともいう。
Wikipedia より

ということから、おたふくとおかめは、一緒だったんですね。
勉強になりました。


今日はお子さんをお持ちの方にはとっても身近なお話です。
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と、前置きが長くなりましたが、
今日は、おたふく風邪、
流行性耳下腺炎 のお話です。

流行性耳下腺炎は、
ムンプスウイルス、というウイルスが原因でおこります。
2~3週間の潜伏期(平均18 日前後)の後に、
唾液腺の腫脹・圧痛(はれて、押さえると痛む、ということです。)
嚥下痛(飲み込んだときにのどが痛い、ということです。)
発熱を主症状として始まり、通常1 ~2週間で治る、
といわれています。

 治療法は、基本的に対症療法で、
発熱に対しては解熱剤、脱水に対しては点滴治療、あとは、安静にしておく、というくらいしかありません。

 予防にはワクチンが唯一の方法で、
有効性については、ワクチンを打った人では100人に1-3人くらいしかかからない、と言われています。

 また、ワクチンを打った後にできる抗体については、100人に90人くらいが予防に有効なレベルの抗体ができている、と言われています。
 とはいえ、流行性耳下腺炎にかかった人と接触した日に、急いでワクチンを打っても、症状を軽くすることは出来ても、発症を予防することは困難と言われています。
 他の人からうつる可能性のある集団生活に入る前に、ワクチンで予防しておくことが、最も有効な感染予防法といわれています。

 詳しくは、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページをご参照ください。

 ちなみに、
不活化ワクチン・トキソイドを接種した場合は、次の予防接種までに1週間開ける必要があり、
生ワクチンを接種した場合は、次の予防接種までに1ヶ月開ける必要があります。

 インフルエンザが流行しており、こちらの予防接種も気になるところです。
ムンプスワクチンは生ワクチンで、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。
インフルエンザの予防接種をした後、1週間あけておたふくかぜの予防接種を受けることができ、その後は、1ヶ月は他の予防接種を受けることは出来ません。

 ワクチンについては、
細菌製剤協会の 予防接種に関するQ&A集 の中の、
ワクチン類全般について が分かりやすいです。
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by fkymhts | 2007-12-11 00:21 | 病気のこばなし

膵臓がん の 抗がん剤治療



今日ちょっと、専門的なお話です。
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膵臓がんの患者さんの治療に、関わらせていただくことが多くなってきました。


手術の後の抗がん剤治療を続けるために、ご紹介いただくことが多くあり、
抗がん剤治療について簡単にまとめてみました。


膵臓がんで使う抗がん剤は、
5-FU という種類の抗がん剤の系列か
塩酸ゲムシタビン という種類の抗がん剤です。

世界的に見ても、合意の得られた抗がん剤治療はなく、
ヨーロッパでは5-FUをベースとする術後補助化学療法が勧められていますが、
わが国ではこの治療について十分な合意が得られていません。

また、塩酸ゲムシタビンによる術後抗がん剤治療の延命効果は現時点では確定していません。

国立がんセンターのホームページ日本医療機能評価機構のホームページからの引用をこちらにまとめました。
治療を進める上でのご参考にしていただければ、幸いです。

どの治療が良い、と答えが出ていないことも多くあり、
それぞれの治療を知った上で、患者さんと医療者が相談しながら治療を進めていくことが必要と感じました。
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by fkymhts | 2007-12-05 23:35 | 病気のこばなし

誕生日

 あなたが、

 34年前のこの日に、

 がんばってくれたから、

 今の僕がいます。


今日はとっても、プライベートな話題です。
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 僕の周りの人のすべてのお母さんが、

 がんばってくれたから、

 僕は素晴らしい出会いをすることが出来ました。


 すべての出会いをもたらしてくれた、

 すべてのお母さんたちに、感謝。


  そして、

 誰よりも、

 おかあさん。

 34年前の12月5日に、
 
 僕を産んでくれて

 ありがとう。 
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by fkymhts | 2007-12-04 22:28 | 白衣を脱いで

インフルエンザの予防接種

 妊婦さんは、インフルエンザの予防接種を受けた方が良い。

○か ×か 


今日はクイズから。とってもホットな話題です。
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と言われると、

どっちかな?と、迷いませんか?


答えは、○ です。

詳しくは、こちらのブログで分かりやすくかいておられますが、


インフルエンザにかかるかどうか、については、

インフルエンザに対する抗体(抵抗力)を持っていない妊娠中期~後期の妊婦は、妊娠していない婦人に対してインフルエンザに罹る確立が高い。

とされています。


かかったらどうなるか、については、

妊婦がインフルエンザにかかった場合、合併症を起こしやすくまた重症化しやすい。

とされており、


かかってからの治療は、

妊婦がインフルエンザに罹った場合、抗ウィルス剤(タミフル、リレンザ)の服用は胎児に対する安全性が不明であることから「投与しない」とされている。
また解熱鎮痛剤は「子宮内胎児死亡」の原因になることがあるため投与できない。

ということから、

ウイルスに対する根治治療は出来ず、
熱さましなどの対症療法も出来ない、

つまり、自然に治癒するのを待たないといけない、

ということのようです。


譜久山病院では、まだ、インフルエンザの患者さんは見ておらず、

兵庫県はまだ少ないのかな、と思っていましたが、

実は、違うんですね。

2007年第42週以降増加が続いており、第46週の報告数は0.94(患者発生報告数4415)となった。都道府県別では、北海道(8.1)、沖縄県(3.1)、神奈川県(1.8)、和歌山県(1.7)、千葉県(1.5)、兵庫県(1.4)、岡山県(1.1)、東京都(1.0)、山梨県(1.0)の順となっている。

ということで、

国立感染症研究所によると、兵庫県は11月12日~11月18日の期間において、全国でも6番目に患者発生報告数が多いとされています。

日本医師会によると、
インフルエンザの流行は1月上旬から3月上旬が中心であること、ワクチン接種による効果が出現するまでに2週間程度を要することから、毎年12月中旬までにワクチン接種を受けることが望ましい。

とされており、

年末にむけて、
年賀状の準備よりも前に
インフルエンザの予防接種をしておいた方がよさそうです。
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by fkymhts | 2007-12-03 23:46 | 診察室のひとりごと