譜久山仁 の 第3診察室

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こんな緩和ケアにしていきたいな…

 がんによる苦しい症状を和らげるために、
チームで緩和ケアに取り組み始めてから、5ヶ月が経ちました。



今日は、譜久山病院に必要とされている緩和ケアについて、チームの立ち上げの時から一緒にがんばってくれているA先生とお話をした内容をお伝えします。
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 患者さんは、がん、と診断されると、
まず、
がんを治したい
と思われるでしょう。
そして、がんセンターや大学病院、市民病院などの中核病院(いわゆる、大きな病院)で、
専門的、根治的な治療を希望されるでしょう。
この段階で、譜久山病院がお役に立てることは、
いち早くがんを発見して、適切な医療機関にご紹介することです。

緩和、という言葉はこの段階では適切ではないかもしれませんが、
がん、というつらい現実に直面する患者さんをサポートする役割は、大変重要です。
チームとして、ではなくても、個人的に 緩和 の心を持って、患者さんに病状をご説明しています。


 治療が無事にひと段落つくと、次に心配なのは、
再発が怖い
ということでしょう。
再発を予防するために抗がん剤治療をしたり、
早期発見のために定期検査を受けたりするようになりますが、
この時も、始めに治療をしてもらった先生や、
検査結果が残っている中核病院での治療を希望されるでしょう。

ただ、中核病院は、専門的、根治的な治療に対応することが主な役割になっていますので、
様子を見るために外来通院を続けたり、緊急時にすぐ対応してもらったりするのが難しい、
ということが、現実的にはあります。

こんなときに、患者さんが困られないように、
中核病院の先生と連携をして、一緒に患者さんを診ていくのが譜久山病院の役割であり、
そして、その患者さんが持っている、がんによる苦しい症状を和らげるのが、
譜久山病院の緩和ケアのチームに必要とされていることじゃないかな、という結論に行き着きました。

そして、もちろん、
再発したり、残念ながら発見された時点で治療ができない進行がんの患者さん。

この方たちは、苦しまずに最期を迎えたい、と思っておられるでしょう。
そして、この患者さんにとって、とても大きな支えとなるのは、
それまで一緒に暮らしてこられたご家族の存在です。

ご自身が住みなれた地域で、ご家族がお見舞いに来られやすい病院で、最期を迎えたい、
と言われる方がおられます。

この方たちが、安心して入院治療を受けることができ、
そして、可能ならば、ご自宅で過ごす時間を持つことができるように。
何か急なことが起こったときには病院で受け入れる態勢で、
ご自宅で過ごされる貴重な時間をサポートできるように。

こんなことも、
譜久山病院の緩和ケアのチームに必要とされていることじゃないかな。

緩和ケア病棟を持っておられる病院には、
ハード面や専門スタッフの面で及ばない点が多々ありますが、
今の建物、今のスタッフでできることはたくさんあります。

お一人お一人の患者さん、そして、ご家族の方と関わらせて頂きながら、
こころ優しいチームのみんなと、少しでもより良い緩和ケアを作っていきたいです。
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by fkymhts | 2011-04-29 00:22 | 診察室のひとりごと

あなたの想いを、どのような言葉にのせますか? - 東日本大震災を支援されたい方へ

 自分が経験していない災難の中にいる人に対して、
どのように声をかけたら良いか困ること、ありませんか?



自分自身が経験していない病気や、震災の真っ只中におられる方と接するときに、想いが正しく伝えることができるように、一人でも多くの方にお読みいただきたいです。
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同じ内容でも、使うことばひとつで、
その人の心をあたたかくすることもあれば、心を閉ざしてしまうこともあります。

医療の現場では、僕自身が体験していない、病気、老い、家族との別れに対して、
どのような言葉を選んだらよいか、日々考えています。


がん、という言葉ではなく、
ご病気、できもの、

老人、という言葉ではなく、
お年を重ねられた方、いろんなことを体も心も経験してこられた方

など、必ずしも正確な表現、とは言えないかもしれませんが、

口から発した言葉に対して相手がどのように受け止められたのかを
相手の表情から感じ取りながら、お話をしていきます。


 今回の震災でも、私たちの多くが経験したことのない、大変な災害の中にいる方が、
たくさんおられます。

自分自身の心の戒めとして、
そして、災害に遭われた方に接するときのサポートとして、

報道だけで災害を知っている方に絶対に知っておいて頂きたい、
被災者と向き合うために必要な心構え
から、写真をお借りしてきました。
c0029677_655312.jpg

ボランティアとして参加される方だけではなく、
災害を体験されていない、すべての方に知っていただきたいです。


詳しくは、こちらをご覧ください。

東日本大震災支援全国ネットワーク
http://www.jpn-civil.net/support/volunteer/post_3.html
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by fkymhts | 2011-04-03 06:09 | 白衣を脱いで

望む死に方

 タイトルにドキッとしたら、ごめんなさい。
先日、ふくやまが患者さんのご家族に言われて、うれしかった言葉なんです。



今日は、久しぶりにがんの緩和医療のおはなし。
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 胃癌で近くの総合病院にかかっておられ、抗がん剤治療をうけられましたが、
病状が進行して体力がもたなくなり、緩和医療目的で譜久山病院に紹介された方です。

しばらくは、第3診察室での外来治療をしていましたが、
食事が出来なくなり、動くことができなくなって、ご入院されました。

ご入院されたときに、
「ご自身の病状について、詳しく知りたいですか?
もし、知りたくなければ、ご家族にお話ししますが、どうしますか?」
とお伺いしたところ、
「全部知りたい。」と言われたので、治療もご本人と相談しながら進めることが出来ました。

はじめに
「どのくらいの期間、生きておられるとおもいますか?」
と、率直に伺うと、
「5-7日くらいかな…」
というお返事。

かなり、ご自身の予後を厳しく見ておられることがよくわかりました。

「点滴も、輸血もしていらんから、とにかく、痛くないようにだけしてほしい。」
というのが、ご本人のご希望。

ご本人の意思を尊重し、緩和チーム内で相談しながら、
痛みどめが内服できなくなることが予想されたので、飲み薬から貼り薬へ変更して、痛みのコントロールを行い、
輸血は行わず、必要な栄養についてはアイスクリームなど食べやすいものをお出しし、
ご入院後2週間と少しで、ご家族に囲まれて、安らかな最期を迎えられました。

痛みのコントロールを開始したのちは、最期まで痛みはなく、
ご家族からは、
「本人が望む死に方が出来ました。ありがとうございました。」
とのお礼の言葉を頂きました。

緩和医療では、残念ながら、患者さんが退院される時は亡くなる時のことが多いです。

死は、敗北ではありません。

医療者にとっての敗北は、患者さんが苦しい最期を迎えざる得ないことであり、
ご家族から「この病院で最期を過ごせて良かったです。」 と言ってもらえないことです。

心からの、
「ここの病院で良かった。」
と言っていただけるような、緩和医療を提供していきたいです。
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by fkymhts | 2011-04-02 22:31 | 医者と患者さん

いよいよ、新年度



新しい年度が始まりますね。
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 久しぶりに、ブログの背景を変えてみました。
やはり、4月はこの花、ですよね。

 今年は、ふくやまの長男が小学校に入ります。

山は富士、
花は…、の桜が、きれいに咲きますように。

 みなさんも、すばらしい新年度を迎え、
そして、すばらしい一年をすごされますように。
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by fkymhts | 2011-04-01 02:21 | 診察室のひとりごと