しばらく、研修の為に、病院を留守にしていました。
リーダーシップについて、
世界各国から約70人、日本全国から約50人の人たちと一緒に研修を受けてきました。
異国の地で、1週間。
体調を崩す人たちも出てきました。
(そういう僕も、異国ではありませんでしたが、風邪を引いてしまいました…)
なんとなく、体調が悪い人の情報が集まってきて、
耳に入ると、どうしても気になってしまって、様子を見に行って。
と、1週間で3人を診ることになりました。
病院を離れての診察。
検査も出来ませんし、薬も自分の手持分しかありません。
出来ることは、病院に行った方がいいか、行かなくて様子を見れるかの見きわめと、
手持ちの薬での対処、だけ。
最終的には、薬で何とか症状を抑えたり、病院で治療してもらったり、で
無事に皆さん帰国してもらえました。
今回、思ったことは、
医者は病院を離れたら哀しいほど微力であること。
それでも、医療者以外の人にとっては、頼りにされる存在であり、
精一杯その人のことを診ることによって非常に感謝されること。
です。
昨今の医療訴訟の報道を見ていると、
「触らぬ神に…」と、腰が引けてしまいそうになりますが、
やはり、困った人がいれば助けたい、というのが、医療者としての本能です。
「お医者さんいませんか?」
というドクターコールに対して、
人種や言葉が違っても、出来る限りのことをする。
症状が良くならないと、非常に悩んだり、気の毒になったりします。
それでも、不安になっている人と一緒に、その気持ちを共有し、
もてる限りの能力でその症状を改善できるように努める。
その結果、
"Thank you Doctor." と言ってもらえると、
心の底から、医療者であって良かった。
と思います。
Service to humanity is the best work of life.
という言葉があります。
人類への奉仕が、人生の中でもっともすばらしい仕事である。
医者が出来る人類への奉仕。
ドクターコールに、顔をうつむけてしまうことなく、
堂々と手を上げて、応えていこうと思います。