救急車で交通事故にあった男の子が運ばれてきました。
男の子、といっても、まだ未成年というだけで、ハイティーンです。
あちこちにすり傷があり、打ち身もあったので、
レントゲン検査をして、骨折がないことを確認。
すり傷の治療をしました。
キズに泥が入っていたので、できるだけキレイに取り除き、
化膿する危険性があったので、
「化膿止めを出しておきましょうね。」
といったところ、
「お金がないので、薬はいいです。」
とのこと。
そして、
それまでにした処置も、
「これって、お金かかるんですか?」
唖然としてしまいました。
医療は、もちろん算術であってはいけないけれども、
医療を受けるにはお金がかかります。
救急車で運ばれてきた患者さんに対して、
「お金がかかりますが、治療を受けますか?」
などとたずねて治療を行うことは、考えられません。
諸外国と比べると、はるかに低価格で、アクセスのよい日本の医療に、
麻痺してしまっているのでしょうか。
グチは言いたくないですし、
プラスにならないことは口にしたくもありません。
でも、
自分の身体に必要な医療を受けない、
もしくは、医療者に責任を持った治療をさせない、
のだったら、
病院に来ること自体が、間違っているように思えるのです。
事故があると、すぐに救急車で病院に運んでもらえ、
待合室で待っている患者さんより優先的に診察を受けることができる。
これは、あくまで、緊急性が高い病状にのみ、許されることなのです。
善意の救急医療体制が、
その重みが理解できない人を助長することになってしまい、
かえって、あだになってしまう。
そんな、悲しいことを考えてしまいました。