先日、緩和ケアの勉強会で、
患者さんの最期を患者さんの意思で決められるのはわずか1%で、
医師が決めるのが2/3、ご家族が決めるのが1/3という話を聞きました。
割合は場所によっても、状況によっても変わると思いますが、
患者さんの意思で決められることが少ない、というのは実感しています。
在宅医療をしている先生は在宅が良いと言い、
入院医療をしている先生は入院が良いと言う。
提供する医療に自信を持つことはもちろん大切ですが、
そもそもその患者さんにとってどこで過ごすのが良いか、
と言う視点が何よりも大切だと思います。
自宅で過ごすこと、入院で過ごすことのメリット、デメリットを説明し、
どちらで過ごすことを選んでもバックアップできるように在宅医療と入院医療で連携をする。
そうすれば、患者さんの最期を患者さんの意思で決めることができるようになると思うのです。
自宅で亡くなりたいと言う希望は8割、でも、実際に亡くなっているのは1割、というデータ。
ご本人は自宅で亡くなりたいと言い、ご家族は病院が安心と言う。
このようなことは、「在宅を選んだらいざという時に入院できないのでは」、とか、
「一旦入院したら家に帰ることができないのでは」、という不安が強いことも大きな原因と思います。
在宅と入院のどちらを選んでも、状況が変わった時には変更できるように柔軟に対応して、
片道キップにならないようにする。
ふくやま病院で細々とではありますが行っていることを、これからも続けていきます。