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譜久山仁 の 第3診察室

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44歳

 とても大きな変化の中、44歳を迎えました。
働き始めて20年目にして、はじめて、長という肩書がつきました。

これまでは誰かの後ろについていれば良かったのが、自然と前に立つことになる。
これまでは自分のことを考えていれば良かったのが、自然と他の人のことに関わることになる。
これまでは他の人の評価は気にしていなかったのが、自然と他の人を評価する立場になる。
院長になって、これまでと全く逆のことがたくさん起こりました。
 
父は、なにも無いところから一代でフクヤマ外科を、そして譜久山病院を作り上げました。
兄は、西明石の譜久山病院から 新築移転した ふくやま病院へ生まれ変わる決断と実行をしました。
二人は、もうすぐ44年になるふくやま病院の歴史を作ってきた院長としての先輩であり、心から尊敬しています。敵わないな、とも思います。

でも、自分は自分。
僕が考える院長の役割は、「健康的で明るく豊かな地域社会を築き上げる」という目的に向かってみんなで力を合わすことができるように、目標を明確にし、環境を整え、責任をとること。
院長、といっても、部下がたくさんできた、という感覚はありません。
指示する対象の部下、ではなく、協働するスタッフがたくさん居てくれる。
院長として、スタッフが医療人としての誇りと自覚をもって活躍できるようにサポートします。

医者になって20年目。
65歳まであと20年。
医者としての人生のちょうど折返し地点に来ました。
これまでは自分の成長に多くの時間をつかってきましたが、
これからはふくやま病院と医仁会の成長により多くの時間をつかっていきます。
そして、健康的で明るく豊かな地域社会を現実のものにします。

仕事を通じて、社会のお役にたてることほど幸せなことはありません。

こんな決意ができるように育ててくれた家族に感謝し、
何よりも、僕を産んでくれた母に感謝します。

おかあさん、
44年前の今日、僕を産んでくれてありがとう。

# by fkymhts | 2017-12-05 22:56

初めての挨拶

初めての挨拶_c0029677_22322946.jpg

今日は、院長として迎える初めての朝礼でした。年度初めであり、たくさんの新入職の方が新しい風を吹き込んでくれます。
新しい人にも、前からいる人にも、院長として、法人が目指すところをお話ししました。
少し長くなりますが、どうぞ

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おはようございます。
新しく仲間に加わったみなさん、ようこそ医仁会 ふくやま 病院へ。
みなさんをこころから歓迎します。
昇格されたみなさん、おめでとうございます。これまでしてこられたことが評価されての昇格です。これからの活躍を期待しています。

さて、僕にとっても始めての昇格です。
院長として、どのような医仁会 ふくやま病院にしたいのか を お話しします。

ぼくたちの仕事は、地域の方が安心して過ごせるように、医療・介護でお役に立つことです。
・かかりつけの患者さんの健康を守ること。
・急な病気の患者さんを受け入れて治療をしたり、当院でできない治療が必要な患者さんには適切な病院を紹介すること。
・他の病院での治療が終わった患者さんが自宅で過ごせるようにリハビリテーションなどの在宅復帰支援をすること。

これらのことは、ひとりひとりの患者さんだけでなく、診療所や急性期病院との連携を通じて地域を医療・介護で支えることにつながります。

病気になったり、歳を取ったりすると治療をしてもそれまでの生活ができなくなることがあります。
元通りの生活ができなくても、住み慣れた家で暮らせるようにしたい。もし家に帰ることができなくても、家族や親しい人たちに囲まれて過ごせるようにしたい。
そのためには、病気を治すだけでなく、地域が「帰りたい」場所であることが大切です。医療の専門分化が進み、一つの病院で健康管理から治療、看取りまでを行うことが困難になってきました。ふくやま病院は、兵庫県立がんセンター・明石市立市民病院・明石医療センター・大西脳神経外科病院などの急性期病院や、地域の診療所と連携して必要な医療を提供します。

ふくやま病院の中では、医師だけでなく看護・介護・薬・リハビリ・栄養など様々なプロフェッショナルが患者さんに関わっています。そう、私達は医療、介護で生計を立てているプロフェッショナルです。また、ボランティアの方や院内のコミュニティスペースを利用される方が地域から来られます。
ふくやま病院が病気を治すだけでなく人と人・情報・ものごとをつなぐ場所になることで、病院から退院して「帰りたい」地域づくりの役に立つことを信じています。

僕たちの法人、医仁会のキャッチフレーズは、
「『また来てね』といえる病院と『家がいちばん』といえる在宅 を目指します」
です。
部署や職種の垣根なく みんなで力をギュッと集めてこのキャッチフレーズを達成しましょう。
どうぞよろしくお願いします。
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力を入れている緩和ケアも併せて、地域のお役に立てるよう精進して参ります。
気がつかれたことがございましたら、ぜひお教えください。

# by fkymhts | 2017-04-03 22:25

逆算 の緩和ケア

迷路って、ゴールからたどるとすっと通れますよね。

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時間がある時には迷うのも楽しいかもしれませんが、緩和ケアを必要とする患者さんに残された時間はとても貴重なもの。
「これで良かった」という最期を迎えられるよう、限りある時間内に無事に辿り着きたいですね。
そのためには、最期をどのように過ごしたいのかを患者さんとご家族さんが思い描いて、それを実現できるように医療者、介護者が支えることが必要です。

ふくやまは、緩和ケアのかなり早い段階で、
「イヤなお話をしてもいいですか?」と前置きをして、「いいですよ」とお返事を頂けた時には、ご自宅での生活が一人でできなくなった時にはどこで過ごされたいかをたずねています。

入院は緊急で入って来られても何とかなりますが、ご自宅で過ごすための調整には時間がかかることがあります。

どのくらいの時間があるのか、ゴールまでの距離がどのくらいか、がわかると、それに間に合うように準備ができますが、ゴールが定まっていないと望まない最期になってしまうかもしれません。

イヤなお話ではありますが、逆算の緩和ケアで患者さんがより良い時間を過ごせるなら、イヤな役を務めていきます^_^


# by fkymhts | 2017-02-19 18:49 | 緩和ケア

最期は在宅 それとも 入院?

 先日、緩和ケアの勉強会で、
患者さんの最期を患者さんの意思で決められるのはわずか1%で、
医師が決めるのが2/3、ご家族が決めるのが1/3という話を聞きました。

割合は場所によっても、状況によっても変わると思いますが、
患者さんの意思で決められることが少ない、というのは実感しています。

在宅医療をしている先生は在宅が良いと言い、
入院医療をしている先生は入院が良いと言う。
提供する医療に自信を持つことはもちろん大切ですが、
そもそもその患者さんにとってどこで過ごすのが良いか、
と言う視点が何よりも大切だと思います。

自宅で過ごすこと、入院で過ごすことのメリット、デメリットを説明し、
どちらで過ごすことを選んでもバックアップできるように在宅医療と入院医療で連携をする。

そうすれば、患者さんの最期を患者さんの意思で決めることができるようになると思うのです。

自宅で亡くなりたいと言う希望は8割、でも、実際に亡くなっているのは1割、というデータ。
ご本人は自宅で亡くなりたいと言い、ご家族は病院が安心と言う。

このようなことは、「在宅を選んだらいざという時に入院できないのでは」、とか、
「一旦入院したら家に帰ることができないのでは」、という不安が強いことも大きな原因と思います。

在宅と入院のどちらを選んでも、状況が変わった時には変更できるように柔軟に対応して、
片道キップにならないようにする。

ふくやま病院で細々とではありますが行っていることを、これからも続けていきます。

# by fkymhts | 2017-02-19 18:16 | 緩和ケア

早期からの切れ目のない緩和ケアって?

「緩和ケア」というと、
「もう、そんなに悪いのですか?」 と言われることがあります。

たしかに、緩和ケアという言葉が使われ始めたときは、「がん治療が効かなく」なってからするケア、と言われていました。
でも、それは25年以上も前のはなし。
今は、早期からの緩和ケアが必要、と言われています。
WHOは、1990年の時点では緩和ケアを「がん治療が効かなくなった患者に対する全人的なケア」と定義していましたが、その後、2002年の声明で、「がん治療の早期から開始すべき積極的な医療」と、がん治療の中心的存在へ位置づけを転換しています。転移・再発と診断された時点から、抗がん剤治療などと同時に開始すべき医療が緩和ケアなのです。
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ふくやまが2004年に明石で緩和ケアに関わり始めたときは、
抗がん治療後の緩和ケア が一般的でした。

抗がん治療後、患者さんはそれまで治療して下さった先生や病院との関係が終わって「もう治療がありません」と言われ、諦めと失意のどん底にいることが多かったのです。

抗がん治療後に緩和ケアが始まっても、短期間で亡くなられる患者さんも居られ、患者さん・ご家族さんと緩和ケアを提供する医師や看護師などの医療者との人間関係を築くのもなかなか困難でした。

そこで、抗がん治療を行う先生と相談して、抗がん治療中の段階から患者さんを支える「バックアップ」という形での緩和ケアを始めることにしました。
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緩和ケアは、患者さんが がん と診断された時から生きている間ずっと、そして、亡くなられた後のご家族の悲しみまでを支えるケアです。
そのためには、緩和ケアを提供する医療スタッフがチームとなって、患者さんやご家族と一緒に歩んでいくことが大切です。

抗がん治療は がん を取り除いたり、小さくしたりすることを目標としますが、
緩和ケアは 患者さんやご家族がより良い時間を過ごすことを目標とします。
そのため、緩和ケアは、通院、入院、そしてご自宅(在宅医療)を通じて、切れ目なく提供される必要があります。

抗がん治療の段階から、そして、できることならば抗がん治療を行う病院と連携して、がん と診断されたその瞬間から、切れ目のない緩和ケアを明石で提供していきたいです。

# by fkymhts | 2017-02-15 18:37 | 診察室のひとりごと