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譜久山仁 の 第3診察室

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協和病院に温熱療法の見学へ行きました。

 8月19日の見学の熱が冷めやらぬまま、8月26日には譜久山病院から最寄りの温熱療法施行病院である協和病院を見学させて頂きました。今回は、譜久山病院の看護師さん達も一緒に伺いました。
協和病院 河村 宗典先生は温熱療法に早くから取り組んでおられ、2015年の関西ハイパーサーミア研究会の当番世話人を務められました。
河村先生から温熱療法の治療についてお話を伺った後、実際の治療を見学させていただきました。
協和病院に温熱療法の見学へ行きました。_c0029677_22103087.jpg

治療室前の廊下の壁に 命の木 といって患者さんが書かれたカードを貼れるようにしている場所があり、温熱療法が患者さんの症状緩和やこころの支えになっていることがよくわかりました。
いのちの木 以外に、患者さんの感想も協和病院のホームページに載っていますので、治療を受けられる患者さんにとって心強いと思います。

 今後、温熱療法を導入したい、というお話をすると、
「せっかく良い治療なのに治療を行っている病院が少ないので、患者さんは通院だけで疲れてしまいます。譜久山病院の近くの患者さんがそちらで治療ができると良いですね。」と言っていただけました。
今後のご指導も快くお引き受け頂き、懐の大きさ、温かさを感じました。
# by fkymhts | 2016-01-03 22:20 | 診察室のひとりごと

温熱療法の守備範囲

 古倉先生と坂元先生からお話を伺い、温熱療法の実際の治療についてよくわかりました。
温熱療法は42.5℃以上の温度でがん細胞が死ぬ、という理論に基づく治療ですが、がん組織をまんべんなく温めることが困難なために温熱療法単独でがんを縮小する効果は期待できません。
ただ、手術の後の再発予防としては、単独でも効果が期待できるようです。
また、抗がん剤や放射線治療と併用すると抗がん効果が強くなるとのエビデンス(証拠)があり、京都府立医大の消化器内科では抗がん剤治療をする際には温熱療法を一緒にする、とのことでした。
温まること自体でも、痛みやだるさ、便秘が楽になったという報告があり、抗がん剤や放射線治療との併用ができなくても症状緩和効果があります。このため治療自体が苦痛でなく、譜久山病院から協和病院さん(西区押部谷にあり譜久山病院から最寄りの温熱療法をしている医療機関)に紹介している患者さんも、週に一度の治療を受けに来るのが楽しみと言われています。
温熱療法の守備範囲_c0029677_215642.png

つまり、抗がん剤、放射線治療と併用するとがんに対する相乗効果が期待でき、症状緩和によるQOL改善があることから、歩いて病院に来れるほぼすべての患者さんが受けることができる治療であり、このことによって価値ある延命を目指すことができます。
明石では抗がん剤や放射線治療との併用は一般的でなく、標準治療ができなくなった時点で患者さんからの希望で協和病院さんなど温熱療法を施行している医療機関を紹介されることが多いようです。
温熱療法についての正しい認識が広まり多くの方の役に立てる治療になって欲しいので、1月16日の公開勉強会で多くの皆さんにお話を聞いていただけるのが楽しみです。
# by fkymhts | 2016-01-02 22:14 | 診察室のひとりごと

温熱療法の見学

 あけましておめでとうございます。
2015年8月19日、いよいよ温熱療法を見ることができる日になりました。
温熱療法の見学_c0029677_14440685.jpg

まずは、京都学園大学の古倉 聡先生にご面会させて頂きました。
古倉先生は、日本ハイパーサーミア学会の副理事長、アジアハイパーサーミア学会理事長、国際ハイパーサーミア学会事務局長、と日本だけでなく、国際的にも温熱療法に関わっておられます。
現在も温熱療法に携わっておられ、温熱療法の歴史、治療の効果、副作用についてのお話を伺いました。
その後は、百万遍クリニックで坂元先生に温熱療法の見学をさせていただきました。
温熱療法の見学_c0029677_14440607.jpg

百万遍クリニックにはサーモトロンが2台設置されており、2人の患者さんが同時に治療を受けることができます。患者さんのご同意の元、実際の治療に立ち会わせていただきました。
治療はサーモトロンの上に横たわり、がんがある部位を2枚の円盤電極で挟んで徐々に温熱の出力を上げていく、という流れで、温熱療法自体は約40分でした。
治療の後にこにこしていた患者さんの笑顔が印象的でした。
温熱療法の見学_c0029677_14440757.jpg

神戸から京都まで治療のために毎週通院している患者さんが居られることや、80代の方でそれまでに行ってきた治療の効果がなくなったけれども、温熱療法と少量の抗がん剤で当初より長い時間お元気に通院されているとのこと、などを伺うと、患者さんに希望を持って貰える治療だと確信しました。
何よりも、「患者さんが治療を楽しみに来院される」という点に、他の治療法と異なって患者さんを支える緩和ケアにもってこいだと思いました。
温熱療法の見学_c0029677_14440700.jpg

坂元院長先生は当院院長と高校が同じだったとのことで、これまた不思議なご縁を感じました。
確かな手応えを感じた見学でした。
# by fkymhts | 2016-01-01 22:44 | 診察室のひとりごと

支える緩和ケアへの道 開ける

 今日は大みそか。いよいよ2015年も終わります。
今年は僕の中で緩和ケアが変わるきっかけを頂いた年でした。
緩和ケアは治療ができなくなってから必要になるものという考えが、患者さんにも、場合によっては医療者にもあります。
最近になって診断から切れ目のない緩和ケアの必要性が言われるようになってきましたが、今年みつけた2005年の図では、
支える緩和ケアへの道 開ける_c0029677_1717232.png

診断された時に支持療法の必要性が大きいことを示しています。
そして、日本で一般的に言われてきている緩和ケアはエンドオブライフ ケアに位置付けられます。

 譜久山病院では、抗がん治療の途中からバックアップという形でがん患者さんに関わってきました。抗がん治療の副作用を抑えるように、がんの治療ができなくなった時の精神的苦痛や痛みや息苦しさ、だるさなどの身体的苦痛を和らげることができるように。
これらの緩和ケアの取り組みが患者さんのお役に立っていたことを願っていますが、見守る・看取る緩和ケアであり、「がんに対して打つ手がない」という患者さんの絶望感に対しては無力でした。
「痛みは取れて楽になったけど、後は死ぬまでの日を待つだけだよね。」と言われる患者さんに、
「そんなことはないですよ」と無責任な言葉をかけることはできず、
「予後はあくまで統計的なことですので、どのくらい間お元気かどうかはまだわからないですよ。」という言葉は自分の心にも虚しく響きました。

 3大治療ができなくなった患者さんを支えることができる治療がないか。
模索の途中で出会った食事療法は選択肢の一つとしては良いと思いますが、賛否両論あり、医師として患者さんに強く勧めるだけの確証を持つことはできません。
免疫療法は理論としては確立されていますが、医療保険が使えず、自費での治療になるため、費用面のハードルが高いです。
温熱療法は、理論として確立できており、保険診療でできる治療なので、目と脳を除くすべての固形がんの患者さんにお勧めすることができ、支える緩和ケアの心強い一手になります。

いよいよ8月19日、大きな希望を胸に初めて温熱療法を見ることができた日のことは、
新しい年が明けた明日、お知らせしますね。

みなさま、良いお年をお迎えください。
# by fkymhts | 2015-12-31 17:49 | 診察室のひとりごと

温熱療法への想いはさらにつながります。

 昨日は病院の納会でした。
すこやかクリニックへご挨拶へ行ったのち、法人のスタッフに一年間の感謝を伝え、来年一年の協力をお願いしました。
これで無事に一年間の仕事を終え、病院は4日間のお休みに入ります。
とはいえ、入院患者さんは居られますし、急患さんも居られますので、病棟を守ってくれるスタッフ、当直の先生には休みの間も支えて頂いています。

さて夏に話は戻りますが、百万遍クリニック見学と合わせて山本ビニターさんからアジアハイパーサーミア学会理事長の古倉聡先生にもご面会させていただく機会をいただきました。
全くの素人がお会いさせて頂くのは畏れ多い気もしますが、一番良くご存知の方にお話を伺える絶好の機会です。

温熱療法を見学したいという想いがつながりました。

# by fkymhts | 2015-12-31 12:43 | 診察室のひとりごと